能登地方に甚大な被害をもたらした、記録的豪雨から4日目を迎えた24日。
輪島市内で発生した、大規模な土砂崩れにより孤立した集落に物資を届けるため、自衛隊30人が集まっていました。

石川県によると、24日午後5時の時点で、輪島市、珠洲市、能登町の合わせて12地区46カ所の集落が孤立状態に。海沿いの集落「七浦地区」は、200人以上の住民が孤立しているといいます。

「めざまし8」取材班は、そんな孤立する集落に向かう自衛隊に同行させてもらいました。

田中良幸フィールドキャスター:
上から土砂が流されてきていた場所ですね、大量の木や草が海の方まで押し流されています。

道なき海岸線沿いを進む隊員たち。土砂崩れによって流されてきたとみられる大量の倒木が散乱し、行く手を阻みます。

元日に発生した地震により隆起した、かつて海だった場所を歩くこと約30分。ようやく鵜入町に到着しました。

約40人が生活しているという鵜入町。浸水による被害を受けた家屋もあり、停電や断水などライフラインも寸断され住民は、3日間、耐え続けていたといいます。

鵜入町の住民:
けがはないけど電気は来ないし、水は来ないし、物資も来ないし、やっとの生活や…。

被災から4日目にして、ようやく届けられた支援物資。
リュックに詰め込まれていた、ペットボトル240本の水と非常食が920食分。集落には保管する倉庫がないため、区長の家に運び込まれました。

浜野勝己区長:
どうもありがとうございました、どうもありがとうございます。

浜野区長の妻:
きょうで限界、助かりました。もう本当に…なんでこんな目に合わなきゃならないのかって。
浜野勝己区長:
電気もね、早く来ればいいんだけど。
親戚の家で孤立…SNSで救助要請を発信
他県から訪問中に被災、孤立したという人もいました。
奈良県に住む大学生の広瀬陽希さん。親戚の家に米の収穫を手伝うため東山町を訪れていたところ、豪雨被害にあったといいます。

親戚宅滞在中に被災した 広瀬陽希さん(22):
本当に音を立ててというか、家屋を揺らすぐらいの雨になっていましたので、ちょっと異常なことが起きているなと分かりました。
これまでに経験したことがないほどの大雨に、危機感を抱いたという広瀬さん。

安全な場所まで移動するため集落を出ようとしますが、すでに、道路には泥水が流れ込みその先は、倒木でふさがれていました。
別のルートでの脱出を試みますが…。

広瀬さん「えぇ…また倒れてる」
目の前の道路に土砂が次々と流れこみ、先に進むことができません。他の道路も陥没によって分断され、自力での脱出をあきらめ親戚の家で様子を見ることにしたといいます。

広瀬陽希さん:
土砂崩れが歩いている際にも起きましたので。道も、もう濁流の状態でしたので。歩いても到底帰れないというところで、(親戚宅から)“動かない”というところを前提に考えました。
しかし、そんな広瀬さんをさらなる災難が襲います。

広瀬陽希さん:
雷の数十倍というかドンという音がして建物も揺れましたので、何が起こったのか本当に分からなかったんですけれども…。

突如、裏山にあった2本の木が、家の2階部分を直撃。近くの空き家も土砂崩れで1階部分が埋まってしまいました。

恐怖に襲われた広瀬さんは、SNSを使って“SOS”を発信することを決断します。

「救助ヘリが必要です。山が崩れてどうにもできません。助けをお願いします。」
(広瀬さんが発信したXより)

この行動が、広瀬さんの危機から救うことになります。Xに投稿した翌日の23日、広瀬さんの元に救助ヘリがやってきたのです。

広瀬陽希さん:
ヘリが非常に低い高度で来ていまして。一見、他の集落の救出なのかなと思ったんですけど、次第に家の田んぼの上で旋回をしていきまして、「来たんだな…」と。
Xで(投稿を)見た方が、119番ですとか、警察・自衛隊に連絡を入れてくれたんです。
(「めざまし8」9月25日放送より)