9月に入っても暑さが続く中、愛媛県立とべ動物園の動物たちも暑さのせいか日中はゆーったりしている。佐々木副園長によると、動物たちは昼行性、夜行性、薄暮性の3つのスタイルに分かれているという。昼と夜、動物たちのいろんな“表情”を紹介。

夜の狩人・フクロウや省エネなカバ

動物園の動物たちは大きく3つの生活スタイルに分かれる。昼間に群れで移動する昼行性、夕方から活動する薄暮性、日中エネルギーを温存する夜行性と、それぞれの環境や体の特徴に合わせて活動時間が決まっている。この動物たちの3つの生活スタイルは、環境に応じて身を守るためなど、色んな方法で決まっていったと佐々木園長は話す。

まず、佐々木園長に案内してもらったのは夜行性の動物のゾーン。ここにいるのはフクロウやオオコノハズクといった動物たちだ。

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フクロウは別名、「夜の狩人(かりゅうど)」といわれる。
約1.5メートルにもなる羽の羽ばたきの音を和らげながら、音を立てずに忍び寄るのが得意なのだ。

佐々木副園長によると、フクロウは「静かに忍び寄り型」で、目標の獲物を見つけたら、一目散に素早く捉えることができるという。

さらに、長く飛び続けるための知恵として、人間にはできない“あること”ができる。

佐々木善基副園長:
静かにじーっと目を閉じているときもありますし、片目だけ開けてそのまま静かに休んでるときもあります。

片目ずつ目を閉じて睡眠をとるという、周りを警戒するために編み出した驚きの睡眠方法だ。かわいらしくウインクをしているようにも見える。
鳥類やイルカなどによく見られるという。

また、カバも夜行性だという。
体の大きさだけでいうと昼間にも活動できそうだが、エネルギーを消費しないように、昼間は水の中でのんびりしている。

涼しい夕方の時間になると、陸に上がって活動を始めるのだ。

取材時、昼間に陸に上がるカバに遭遇したが、佐々木副園長によると「めったにない」レアな瞬間だという。

薄暮の王者・ジャガーの秘密は目の中

続いては、肉食動物のジャガーだ。

ジャガーは夕方から活動を始める薄暮性だが、南米大陸ではジャガーより大きいネコ科の動物がいないため、昼間に動いてることもあるという。水辺の森林に生息し、木登りや泳ぎが得意だ。

また、目の中に「タペタム層」という仕組みがあるため、暗闇の中でも周りを見ることができる。夜にネコの目が光っているのも、タペタム層の反射なのだ。

佐々木善基副園長:
月明かりなんかでも、普通、人は(光を)吸収するんですけど、ジャガーの場合は反射することによってネコなんかと同じになります。

昼行性は群れで移動 身を守る技も

園内を進んだサバンナエリアには、シマウマやキリン、シロオリックスの姿があった。全て昼間に動く昼行性の動物たちだ。

夜行性の動物とは異なり、「基本的に群れで移動する」という共通点がある。

佐々木善基副園長:
絶対的な大きさ、背が高いだとか。ゾウさんのように体が大きいから、襲ってくるネコ科の動物も少ないであろうみたいな感じ。

さらに、敵から身を守る技を持っていることが重要だ。シマウマの俊足や強烈な「蹴り」、そしてシロオリックスの「角」など、色んな武器を兼ね備えている。

そして、チンパンジーも昼行性の動物だ。
夜の動物園では、かわいらしいスカイくんの寝顔が見られたという。

佐々木善基副園長:
夜には昼間にないような夕方からの活発な(生活)スタイルとか、魅力ある行動が発見につながるかもしれませんので、そこをぜひ楽しみに見ていただきたいなと思っています。

とべ動物園では9月も夜の動物園が開催される。
昼と夜で違う動物たちの1日を比べてみてはいかがだろうか。

(テレビ愛媛)

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