福岡・北九州市の特定危険指定暴力団「工藤会」のトップなど最高幹部らが逮捕された、いわゆる「頂上作戦」から10年。北九州市の武内和久市長(53)は「暴力団排除に向けた全ての皆さまのご尽力により、北九州市の治安情勢は劇的に改善し、安心安全な街へと展望を遂げました」と治安が劇的に改善されたと強調。企業誘致へ、さらに力を入れる方針を示した。

工藤会のトップとナンバー2を逮捕

「いま午前6時40分です。警察が工藤会のトップ、野村悟総裁の自宅に強制捜査に入ります」と当時の担当記者がリポートした10年前の2014年9月11日。工藤会のトップ、野村悟被告(現在77歳)が殺人などの容疑で逮捕された。これを皮切りにナンバー2の田上不美夫(現在68歳)被告など最高幹部が逮捕。いわゆる「頂上作戦」が始まったのだ。

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野村、田上両被告は控訴審でともに無期懲役の判決を受け、現在、上告している。

市民への襲撃をも繰り返した工藤会。北九州市政の舵をとる武内市長は「平成20年のピーク時には730人だった工藤会の構成員は8割近く減少した。頂上作戦の成果も顕著に表れております」と頂上作戦などの進展もあり、工藤会の組員の活動は劇的に減ったと評価した。

組員は激減 事務所は撤去

福岡県警によると10年前の9月以降、あわせて451人の工藤会系組員を検挙。そして2023年12月、福岡県内の工藤会系組員は160人にまで激減したとしている。本部事務所のシンボルとも言える「工藤会会館」と書かれた看板も、2019年11月には取り壊された。

工藤会系の組事務所は、この10年で28カ所撤去され、市内の治安は目に見えるかたちで改善を見せている。そしてこの10年で大きく進展した変化の1つに企業誘致がある。

安心安全な街 企業誘致も進展

武内市長は「企業誘致も昨年度は過去最高の投資額を達成致しました」と胸を張る。市によると、頂上作戦が行われた2014年以降、北九州市への企業誘致は増加傾向が続いていて、2023年は過去最高の91件、あわせて2580億円の投資額となっている。

武内市長は「日本トップクラスの安全、安心な町への挑戦。これを今後も強力に進めてまいりたい」と述べた。

安全、安心な街に変わりつつある北九州市。福岡県警は今後も工藤会の壊滅に取り組むとしている。

(テレビ西日本)

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