「おためし同棲」ができる物件が登場
本当に一緒に生活していけるのか結婚前に同棲を始めるカップルもいると思うが、「おためし同棲」という物件紹介サービスをご存じだろうか。
「おためし同棲」とは、都内に500室以上のマンスリーマンションを保有するmatsuri technologiesが、5月21日から始めた賃貸住宅情報サイトのことで、同社によれば日本初の同棲特化サービスだという。物件があるエリアは東京・大阪・京都・名古屋・那覇など全国の都市部で、都内では新宿・渋谷・池袋などをはじめ、少しずつ拡大しているという。
特徴は、連帯保証人や敷金・礼金・仲介手数料が不要で、物件には家具や家電が付いており、基本的に1カ月契約の、2人で入居できる物件だということ。従来の不動産業界では、2年区切りの契約が一般的で、同棲など「結婚をしていない」2人の場合は基本的に両者それぞれに保証人を求めていたが、「おためし同棲」では両親を保証人にする必要もない。
同社によると「同棲のためにお互いの両親に連絡したら、それはもう結婚前提になるのでは?」という問題が解決できるとしている。
また、初期費用や家具を揃えたり運んだりする手間が省かれることや、生活してみて万が一相性が合わなくても1カ月で解消可能なことから、同棲へのハードルが低くなるとしている。ちなみに、このサービスは学生でも利用可能で、また約半数のカップルが延長や本格的な同棲を検討するとのことだ。
他の特徴としては、不動産契約で困ることがあるLGBTカップルなども利用可能で、さらに期間限定の「都内最安同棲プラン」や、1万5000円から始められる「1週間同棲」も提供している。参考までに、20日の段階でサイトに掲載されている「都内最安同棲プラン」は、高田馬場駅から徒歩10分、下落合駅から徒歩5分の1K物件で、価格は1カ月「6万5000円から」となっている。
そして、同社がこのサービスを始めたきっかけには新型コロナウイルスの影響があるという。外出自粛などが引き金となって距離が生まれ、カップルが別れてしまう“コロナ破局”を防ぐためとしている。
コロナ禍でカップルが会う時間は確かに減っているかもしれないが、どのくらい反響があったのか?また、同棲に対するイメージは変わってきたとはいえ、例えば学生が親に黙って同棲しないか心配する声はないのか?担当者に聞いてみた。
なぜ“コロナ破局”が防げる?
――「おためし同棲」サービスを始めたきっかけは?
マンスリーマンションへのお問い合わせを頂く中で初期費用の高さが引っ越しのハードルとなっていると感じており、同棲を希望する方は比較的若い方が多いことから、費用の高さがネックになって同棲に踏み切れないのではないかと考えました。
いざ同棲を始めようと思っても、初期費用の高さや、万が一仲たがいをしても契約のため簡単に引っ越しやお部屋を引き払うことが出来ないなどといったお悩みをお持ちの方々に、敷金・礼金などの不動産初期費用ゼロで、家具・家電からお皿まで設置済みのお部屋をご用意いたしました。
――なぜ「おためし同棲」で“コロナ破局”が防げる?
新型コロナウイルスの影響による外出自粛が続き、コミュニケーションが減る中、おためし同棲で同じお家でstay homeして頂くことを目的としております。
1日あたり数十件の問い合わせ
――「おためし同棲」の需要はどのぐらい?
1日あたり数十件のお問い合わせを頂いております。
――「都内最安同棲プラン」や「1週間同棲」はどんな物件?
最安同棲パッケージですと1R・1K物件でございます。1週間同棲は幅広い物件をご用意しており、戸建てから1Rまでご案内可能でございます。
――平均的なユーザー像は?
メインは20~30代の方々で、学生や社会人など様々な方がいらっしゃいます。
――学生が親にだまって同棲しないか心配する声はない?
ご心配のお声は頂いておりませんが、20歳未満の方がお申し込む際には保護者への確認を行っております。
同棲をしてみて、改めて結婚後のイメージができたり、生活スタイルの違いに気づいたりということはあるだろう。
同社では「おためし同棲」から「本同棲」にかわる際に、家具家電がない一般賃貸物件などの案内も行っているという。
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