アメリカ大統領選に向けた最大のヤマ場と言われるテレビ討論会が、日本時間11日に行われた。いつもと違い、本候補が決まってから選挙までは3ヶ月ちょっとしかないため、2人の初対決、しかも初対面となる今回は、特にいつもの討論会より意味が大きかったといえそうだ。
“最初で最後”の直接対決?
アメリカ大統領選挙まで、あと56日。ハリス副大統領と、トランプ前大統領の“最初で最後”とも言われているテレビ討論会がABCテレビ主催で行われた。
この記事の画像(39枚)激戦州の一つ、ペンシルベニア州フィラデルフィアで開催され、大統領選の最大のヤマ場となった討論会は、ハリス氏がトランプ氏に近寄り、握手を交わして始まった。
物価高をはじめとした「経済」をテーマに、討論はスタートした。
トランプ氏:
私が(大統領で)関税を導入した時は、インフレは起きなかった。経済はひどい状態だ。インフレは国を滅ぼすものとして知られている。インフレは国を崩壊させる。
ハリス氏:
トランプには何のプランもないということです。彼の経済プランを見ると、富裕層への減税ばかりです。
と、ハリス氏がトランプ氏を追求した。すると…。
トランプ氏:
彼女にはプランがない。彼女のプランを見てください。彼女にはプランがない!!
彼女はマルクス主義者だ。彼女はマルクス主義者だ。彼女の父親は、マルクス主義者の経済学の教授だ。
…と、トランプ氏はハリス氏に対して「政策のプランがない」などと批判した。
また女性の中絶問題では、ハリス氏がトランプ氏に態度を鮮明にするよう迫ると、言葉を濁す一幕もあった。
そして不法移民の問題についての議論では、驚きの発言が…。
トランプ氏:
アメリカ全土の町で何が起こっているのかを見てください!スプリングフィールドでは、彼らは犬を食べている。猫を食べている。彼らは、そこに住んでいる人たちのペットを食べている!
と、トランプ氏が「不法移民が住民のペットを食べている」と発言したのだ。
司会者に「証拠がない」とたしなめられても、トランプ氏は「でも、テレビで、自分の犬が食べられたと言っていた(のを見た)」と反論した。
緊急世論調査ではダブルスコアでハリス氏の勝利
今回の討論会、候補者同士での言い争いを防止するため、相手の発言中は、もう片方のマイクはオフとなる設定に。
ハリス氏は表情で、「(それは真実ではありません)」「(嘘をつくな!)」と、トランプ氏の発言にリアクションで対抗した。
そして前回の大統領選挙について、司会者に「2020年(の大統領選挙)に負けたことを今、認めていますか?」と問われると…。
トランプ氏は「いいえ、私はそれを全く認めません!」と即答した。
討論会を取材したジャーナリストたちは、今回の直接対決をどのように見たのか聞いてみると、「絶対ハリスが討論会を制したと思う。トランプが完全に動揺しているように見えた時がたくさんあった」「どちらが勝ったとか負けたとか言うつもりはないが、ハリスは非常に力強いパフォーマンスをしていたと思う」とインタビューに答えた。
日本時間11日の討論会を受けたCNNの緊急世論調査では、63%がハリス氏、37%がトランプ氏が勝者と回答するなど、ほぼダブルスコアでハリス氏の勝利と報じている。
(「イット!」 9月11日放送より)