アップルは生成AI(人工知能)機能を搭載した新型「iPhone 16」を発表した。
カメラ専用ボタンやメールの要約、絵文字作成など、アップル独自のAI機能が搭載される。
専門家は、ハードとソフトの融合が、より効率的なデバイス体験を実現すると評価している。

新型「iPhone 16」のAI機能は10月から 

アメリカのIT大手アップルは2024年9月9日、生成AI機能を搭載した新型スマートフォン「iPhone 16」を発表した。

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アップル ティム・クックCEO:
強力な生成AIをiPhoneの中核にして、さらに便利で楽しいものにします。

新型のiPhone 16
新型のiPhone 16

新型のiPhone 16は、新たにカメラ専用のボタンが追加され、ワンタッチで撮影やズーム調整ができるようになった。

生成AIで作成できる絵文字
生成AIで作成できる絵文字

また、アップル独自の生成AI「アップルインテリジェンス」が搭載され、長文のメールを要約したり、自分だけの絵文字を作ったりすることができる。

AI機能を搭載したiPhone 16
AI機能を搭載したiPhone 16

AI機能は10月から英語のみで試験的に始め、日本語対応は年明けからになる予定だ。
価格は12万4800円(税込み)からで、20日に発売される。

ハードとソフトの融合が効率化・省電力を実現

「Live News α」では、暮らしを変えるテクノロジーにくわしいIoT NEWS代表・小泉耕二さんに話を聞いた。

堤礼実キャスター:
ーーアップルの新製品、どうご覧になりますか?

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
今回、注目したのは、「ハードウエアとソフトウエアの融合」です。アップルは自社製品に、システムの動作に必要な機能のすべてを1つの半導体にまとめたSoC(システム・オン・チップ)を使っています。

一般的に、ソフトウエア企業とハードウエア企業が異なる場合、いろいろな用途に使える汎用的なチップを作る必要があるのですが、アップルの場合、スマホや時計、イヤホンといった、用途の異なるデバイスそれぞれにSoCを自前で作っています。

これで、より無駄なく、賢く、高速に、それを少ない消費電力で、それぞれのデバイスを動かすことが可能となります。

アップル製品は、明確なユーザー体験を打ち出し、それにあったSoCの設計を緻密に行うことで、今回の発表のように、AIの機能をデバイスに搭載し、ユーザー体験をより良くしています。

堤キャスター:
ーー具体的には、どんなことができるようになるのでしょうか?

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
例えば今回、発表された「AirPods」では、AIが搭載されることで、騒がしいところでイヤホン越しに電話をしていても、イヤホンが人の声だけを抽出するので、通話している相手は、声が聞き取りやすくなります。

また、AIが人の指示を理解し、その指示を実現するためのデータがどこに格納されているかを見つけ、データ間の文脈を理解し、人に理解できる情報としてアウトプットできるようになること、これが「アップルインテリジェンス」です。

この処理には、ソフトとハードの融合が欠かせません。

AI連携スマホに「話しかけるだけ」の未来へ

堤キャスター:
ーースマホに搭載されたAIが進化していくと、どんな未来が待っているのでしょうか?

IoT NEWS代表・小泉耕二さん:
SF映画のような「パーソナルエージェントの時代」が、ついに到来すると思います。多くのアプリベンダーも、スマホのOSに搭載されたAIと連携することになるでしょう。

今は、検索窓に知りたいことを入れれば、世界中の情報が検索できるようになっていますが、数年もたてば、デスクトップという概念もなくなり、スマホに向かって何かを話せばコミュニケーションも、仕事も、遊びもできる、そういう時代が来るかもしれません。

堤キャスター:
高性能のAIによって、スマートフォンの在り方も変わってきています。
身近なデバイスだからこそ、暮らしを変えるインパクトも大きいように思います。
(「Live News α」9月10日放送分より)

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