フランスのマクドナルドが公式SNSに定番メニューの休止を示唆した。
スター選手の名前を揶揄(やゆ)するジョークから垣間見える、ユーモアと炎上リスクの間を突いた絶妙なマーケティング戦略とは。
FNNパリ支局原佑輔特派員がリポートする。
【動画】フランスのマクドナルドが「“カリー”ソース廃止」に!? きっかけはパリオリンピックのバスケ決勝 “ウマすぎた”アメリカ代表選手

パリ市民:まさにマクドナルドに行くところだった。カレーソースがあるのか確認しよう。
パリ市民:ステフィン・カリーはフランス戦で大活躍したけど、私たちはカレーソースを愛しているので、残してほしい。

8月、フランスのマクドナルドファンたちの間で、1つのSNSの投稿が話題となった。
それは…「明らかな理由により、このソースを廃止することを検討します」。
マクドナルドが公式SNSに、クラシックカレー味のソースを写真を、この文言と併せて投稿したのだ。

一体何が起きているのか…。
わたしは急遽、パリ市内のマクドナルドに向かった。
原佑輔特派員:パリ中心部のマクドナルドです。果たしてカレーソースはまだ売られているのか、見てきたいと思います。

実はこの投稿の直前にパリオリンピックのバスケットボール男子決勝が行われていた。
マクドナルドが主張する明らかな理由とは、ステフィン・カリー選手の大活躍で、アメリカが開催国フランスをくだし、金メダルに輝いていたことだったのだ。

もちろんカレー味のソースは健在だ。
原佑輔特派員:注文したナゲットが到着しました、しっかりとカレーソース付いています。すごくスパイシーで、日本のカレーというよりは『カリー』という感じです。

このウィットに富んだジョークはすぐに世界に拡散し、4万を超える“いいね”を獲得した。
この投稿を見たパリっ子たちも大よろこびだ。
パリ市民:子供の冗談みたい!ウケる!カレーソースが一番好き。いつもそれで食べてる。廃止したら怒るよ。
パリ市民:今マックを買ってきたばかりなんだ。廃止するかもと聞いて、カレーソースを頼もうとおもったよ。すごくおもしろい冗談だけど、カレーソースを愛しているから焦ったよ。

最終的にはステフィン・カリー選手本人もこの投稿に登場し、SNSは大盛り上がり。
マクドナルドのマーケティングの巧みさを見せつける投稿となった。
(関西テレビ 2024年9月9日)