兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラなどの疑惑について、百条委員会で知事への証人尋問が、6日午後3時から行われている。

【動画】パワハラ疑惑の斎藤知事 証人尋問

兵庫県 斎藤元彦知事 9月6日
兵庫県 斎藤元彦知事 9月6日
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証人尋問の中で、斎藤知事は、自身への告発文書を一般の人から入手したうえで、「『誰が作成したのか」把握することが大事』だとして幹部に調査を指示したと述べた。

また、告発文は『誹謗中傷性の高い』文書だとして、「告発者探し」を『告発された当事者』である前副知事が担当したことは「問題なかった」と持論を展開した。

ことし3月、兵庫県の元西播磨県民局長が斎藤知事のパワハラ疑惑などを記載した告発文を報道機関に配布。翌月に県の公益通報窓口に告発したものの、これを問題視した斎藤知事によって内部調査が行われ、県が元局長を懲戒処分した。

■知事は「まるで独裁者」と専門家

知事の一連の疑惑を調査する百条委員会で、公益通報の専門家・上智大学の奥山俊宏教授は局長の告発を公益通報として保護しなかった県の対応は「公益通報者保護法に違反する」と指摘。

内部調査を実施したのが斎藤知事や片山前副知事など文書で告発された当事者だった点について「まるで独裁者が反対者を粛清するかのような陰惨な構図を描いてしまった」と述べた。

■「徹底的に調べてくれ」知事から指示と側近

兵庫県 片山安孝前副知事 9月6日
兵庫県 片山安孝前副知事 9月6日

6日午前の百条委員会には、知事の側近だった片山安孝前副知事が出頭。

片山前知事は、斎藤知事から告発文を見せられ「こういうもの(告発文)を入手した。徹底的に調べてくれ」と指示があったと証言し、この指示は「誰がどのような目的で出したのか調べてくれ」という意図だと認識したと述べた。

また、当時の総務部長から第三者機関による『外部調査』を提案された斎藤知事が、「時間がかかる」と否定していたと明かした。 この他にも片山前副知事は「『告発者を守らないといけない』という認識はなかった」とした。

■「告発者を『告発された当事者』が探すことは問題なし」と知事

兵庫県 斎藤元彦知事 9月6日
兵庫県 斎藤元彦知事 9月6日

6日午後3時からの百条委員会で斎藤知事は、一般の人から告発文を入手し「『誰が作成したのか」把握することが大事』として県幹部に内部調査を指示したと述べた。そして『告発者を告発された当事者が探すこと』については「問題ない」との見解を示した。

-Q.片山前副知事は告発文書の疑惑の当事者、公益通報では通報対象にあたるが、その片山前副知事が元局長の事情聴取をしていることに問題は全く感じなかったのか?

兵庫県 斎藤元彦知事:告発というよりも誹謗中傷性の高い文書だと思いましたんで、文書を作成した人を内容の意図も含めて聴取することは問題ないと思っています。

-Q.疑惑の当事者が、文書の作成者の特定の調査をしても全く問題ない?

兵庫県 斎藤元彦知事:初動の調査はあくまでどなたが誹謗中傷性の高い文書を作成されたか特定していく、そして、その背景や意図とか、それから関係者を調べる初動の調査ですので、そこは問題ないと思います。内容の調査については人事課が、懲戒処分については人事課がやっていくということです。そこは分けて考えるべきだと思います。

-Q.告発された当事者が、文書を作成した人を探すのは、文書を握りつぶそうとすることにならないか?

兵庫県 斎藤元彦知事:そういう認識はないです。告発というより、誹謗中傷性の高い文書を作成したということですので、その作成者がどなたか探すということは、必要なことだと思います。

■当時の総務部長から「外部調査すべき」と進言「なかった」と知事

兵庫県 斎藤元彦知事 9月6日
兵庫県 斎藤元彦知事 9月6日

また、当時の総務部長から内部調査の前に、第三者による外部調査を提案したとされることについては、「進言はなかった」と否定した。

兵庫県 斎藤元彦知事:第三者委員会をやりましょうとか、そういう話はなかったと記憶しています。むしろ懲戒を含めた可能性があるところなので、人事課でしっかり調査していくことが大事だという風になったと記憶しています。(第三者委員会で調査)すべきだと進言を受けた記憶はないですね。

-Q.「すべきだ」ではなくても、こうした問題は第三者委員会で調べる方法もあるといったことを協議した記憶はないのか?

兵庫県 斎藤元彦知事:記憶はないですね。進言を受けたという記憶はないです。

-Q.協議をしたかです。

兵庫県 斎藤元彦知事:第三者委員会について協議をしたというところまでの記憶はないですね。話には出たかもしれないですけど、積極的に彼らがやりたいという話でもなかった。人事課の調査で十分だという話になった。

-Q.(第三者委員会のことが)話にはでたかもしれない?

兵庫県 斎藤元彦知事:かもしれないです。

-Q.元局長の懲戒処分は、公益通報を待ってから処分すべきとの進言は受けてますよね?

兵庫県 斎藤元彦知事:私の認識はそれを受けたことはないです。ないと記憶しています。調査に時間がかかりそうだとかいう報告は受けたことがありますが、公益通報を待ってからやる(処分する)べきだというような進言を受けたことはないです。

■元局長は「保護対象ではない」 辞職については「仕事をしっかりやっていくことが私の責任の取り方」と否定

兵庫県 斎藤元彦知事 9月6日
兵庫県 斎藤元彦知事 9月6日

加えて斎藤知事は「公益通報の結果を待たずに元局長の処分を人事課に指示したのか?」と問われ「私がそういった指示をしたという記憶はないですね、記憶上指示はしてないと思います。『公益通報待たずに処分をしろ』とかそういったことは私は言ってないと思います」と述べた。

自身の疑惑を告発した元局長が公益通報保護の対象になるかについては、「告発文に『事実相当性がない』ので、告発した元局長は保護対象にならない」との認識を示した。

自身の進退については、「仕事をしっかりやっていくことが私の責任の取り方」と述べ、改めて「辞職」を否定している。

(関西テレビ 2024年9月6日)

関西テレビ
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