緑に囲まれた空間に小さな建物。それは大人の身長と同じくらいの大きさです。

中をのぞくと、子どもたちがぎゅうぎゅうに入っています。
この建物を作ったのは渡邉辰吾(わたなべ・しんご)さん(48)。

渡邉辰吾さん:
これは本屋なんですね。ちょっと小さすぎると思うんですけども、本屋です。

高さ1.4m、横幅1m、奥行き1.5mという超ミニサイズの本屋さん。
中には、約300冊の本がぎっしり詰まっています。

実はここ、ギネス世界記録に認定された「世界一小さな本屋さん」なのです。
子ども:
(小さすぎて)誰が入るんだろう?って感じです。
渡邉辰吾さん:
小学校の低学年だとか、3~4年生がやっと立てるくらいですね。高学年になるとちょっとかがまないといけないくらい。
会社を経営しながら、子どもの教育アドバイザーも務めている渡邉さん。
子どもたちが自由な発想を育むためには、「物理的に子どもしか入れない空間があればいい」と「世界一小さな本屋さん」を作りました。
渡邉辰吾さん:
(本を選ぶ時に)「文字がわからないだろう」とか「(この本は)難しすぎるだろう」とか子どもの興味を大人の方が削いでしまったり、介入するっていう行為を何度も見かけて。

渡邉さんは子どもが選んだ本を、親が否定するといった場面を何度も目の当たりにしたといいます。

この本屋さんには、「子供の可能性を制限したくない」という渡辺さんの思いが詰まっているのです。
渡邉辰吾さん:
よく子どもたちに言うのは、分からなくてもいいから、何か感じたものを手に取ってみてって。自分の好きなこと、自分が大切にしていることが、未来を作っているということに気付いてほしいなと思います。

子どもには大人に制限されず自由な発想を育んで欲しいと願う渡邉さんの活動はあすも続きます。
(イット!9月2日放送)