8月、中国で、飛行機内で泣き続ける子どもを、他人である乗客の女性が、泣き止ませるためトイレに連れて行き諭す動画が拡散された。
この“他人の子ども”をしつけた行動について、批判の声が相次ぎ、航空会社も非難のコメントを出した。

“他人の子ども”トイレに連れ諭す…

泣き止まない子供を“他人がしつけ”したとして、中国のSNSで拡散された動画が物議を醸している。

物議を醸している動画
物議を醸している動画
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飛行機内で泣き続ける女の子に、「おばさんに抱っこして欲しい?抱っこしてあげるけど、泣くのはダメだよ。黙ってくれれば抱っこするよ」と泣き止むように促す女性。

動画にはもう一人の女性が映る
動画にはもう一人の女性が映る

動画には、撮影をするもう一人の女性が映っている。

女の子が泣いているのは、飛行機内のトイレだ。

現地の報道によると、この動画が撮影されたのは8月24日の、中国の国内便の中だ。

事の発端は、祖母と一緒に乗った女の子が、周りの乗客が耳を塞ぎたくなるほどの声で泣き続けたことだという。

すると、乗客の女性2人が、祖母の同意を得た上で、女の子をトイレに連れて行った。

そして女の子に話しかけ、「分かるよね、いい子して。泣き止んだら、外に出れるよ」「泣き止んだらばあばを探しに行こう、いい?3分間静かにしてみて。外に出て泣いたら、またここに戻らないと行けないよ。分かった?」などと諭したのだ。

SNSに動画を投稿した女性は、自分たちの対応について説明した。

動画を投稿した女性:
私はただ子供をちゃんとあやして、同時に、同乗するみなさんによく休んでもらいたかった。

また、女の子をトイレに閉じ込めたあとの様子についても、「女の子は飛行機を降りるまでの2時間以上、ずっと泣いていなかったし、私たちは後で一緒に朝食を食べて、一緒に楽しく遊んだ」と話した。

しかし、動画はまたたく間に拡散し、女性たちの行動に批判が噴出。ただ一部では、女の子の祖母の同意を得ていたことから、女性たちを擁護する意見も出た。

「地獄の片道切符」の声

幼い子供が、公共の場で泣きやまない事態について街の人はどう感じているのだろうか。

街の人:
(赤ちゃんは)泣くのが仕事なんだなという感じで温かい目と気持ちで見てあげればいいと思います。

そのほか、「子供は泣くのは当たり前だから、別に周りの人はあまり気にしない」「ビジネスパーソンがイライラしている方が多いなという印象はあります」など様々な声があがった。

自分だったらどう対応していたか、子供を持つ親たちに聞いてみると、「ちょっと落ち着くまでみなさん辛抱いただけますかって頭を下げるしかないですかね」「一回泣いちゃうともう“地獄の片道切符”ではないけども、ちょっと声をかけていただくだけでほっとするっていうか…」と苦労を浮かべていた。

また、「飛行機に乗るときは(子供が)眠って搭乗できるように、飛行機に乗る前に時間を工夫している」と話す人もいた。

今回中国で起きた件について、航空会社は「見知らぬ人が子供を連れて単独で行ったいわゆる『教育』のやり方を非難する」とコメントしている。

また、航空会社は「乗務員の見落とし」を謝罪するとともに、再発防止策を講じるとしている。
(「イット!」9月2日放送より)

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