8月30日午後3時から、百条委員会で初めて知事への証人尋問が行われた。自身のパワハラ疑惑の追及に対し、全面的に否定した。
■ついにはじまった斎藤知事に対する承認尋問 「記憶にない」とパワハラ疑惑を全面否定

午後3時から始まった百条委員会の斎藤知事に対する証人尋問。
兵庫県 斎藤元彦知事:良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、また何事も付け加えないことを誓います。

職員へのパワハラ疑惑などについて追及が始まった。
百条委員会 奥谷謙一委員長:職員に対する過大な要求ではない?
兵庫県 斎藤元彦知事:当時の認識としては、合理的な指摘・認識だったと。
百条委員会 奥谷謙一委員長:厳しい口調で叱責した、『勝手にやるな』とか『聞いてない』とかあったんでしょうか?

兵庫県 斎藤元彦知事:記憶にないですね、何らかの指摘をしたとしても、私も色んなレクを受けてますから、1つ1つ覚えてないこともあります。
パワハラの疑惑について全面的に否定した。
■アンケートで明らかになった数々のパワハラ疑惑に対し「反省したい、謝りたい」

事の発端となったのはことし3月、兵庫県の元西播磨県民局長が斎藤知事のパワハラ疑惑などを告発した。
兵庫県 斎藤元彦知事(2024年3月):業務時間中なのに、嘘八百含めて文章作って流すという行為は、公務員としては失格。
しかしその後、知事が公務で訪れた県立考古博物館で、公用車から入口まで20メートルを歩かされ職員を厳しく叱責したことなど、疑惑の一部が事実だと判明。 県議会で告発文の真偽を調査するための百条委員会が設置され、元県民局長も証人として出席する予定だったが、ことし7月に死亡した。

百条委員会は県の全ての職員、およそ1万人にアンケートを実施。中間報告では知事のパワハラ行為について、「直接または、間接的に知っている」と回答した県職員がおよそ4割に。
中には、こんな証言もあった。
「怒るとバンバン机を叩きだす」 「公用車内で知事が激怒し、前方座席を蹴った」 「おまえはエレベーターのボタンも押せないのかと厳しく罵倒された」
こうした一連の疑惑について、斎藤知事は30日の証人席で…
兵庫県 斎藤元彦知事:言い方が厳しかったり、強くなったことは、職員の皆さんに不快な思いをさせたのは反省したいし、もしそういう方がいれば謝りたい。
■20メートル歩かされ叱責について「歩かされたことに注意したのではない」

パワハラ疑惑について委員長や各会派の委員から質問が続いた。
百条委員会 奥谷謙一委員長:20メートル前で公用車を降りて歩かされたことで、怒鳴り散らした件、知事は職員にどういう発言を?
兵庫県 斎藤元彦知事:車止めをなぜのけなかったのか、のけるのを失念していなかったかというのを申し上げた。
百条委員会 奥谷謙一委員長:声の大きさや程度は?
兵庫県 斎藤元彦知事:会議が始まる直前でもあったので、外だということもあって、大きい声でその旨を伝えた。
百条委員会 奥谷謙一委員長:なぜ大きな声を?
兵庫県 斎藤元彦知事:車止めの直前で2人の職員が待っていたので、そこまで車が当然行くと思っていたが、突然止まったので、『どうしたの?』というと、車止めがありますと。向こうで待っているなら、もしかしたら車止めを外すのを失念していたのではないかと強く思ったので、車の動線を確保できてなかったのではないかという強い思い。そこで指摘して注意した。歩かされたことに注意したのではなく、車の動線を確保しておくべきだったということに注意した。

一方、実際に知事から叱責されたとされる東播磨県民局長は、30日に行われた証人尋問で「社会通念上必要な範囲とは思わない」などと話していて、そのことについて聞かれると。
自民党 藤田隆夫委員:社会通念上、指導の範囲を超えているという証言も。彼らに申し訳ないという気持ちはあるのか?
兵庫県 斎藤元彦知事:あの時の私の認識に基づいて、もっと動線を確保した方がいいという注意は、やむを得なかったと思うが、大きい声で厳しく注意して、そこが職員のみなさんが不快だったり、そう思われたなら反省して、機会があれば本人にもおわびしたい。
さらに他のパワハラ疑惑については…
百条委員会 奥谷謙一委員長:補助金の事業について、『何これ聞いていない』『知事直轄、勝手にやるな』 と強い口調で叱責したことはあったのか?
兵庫県 斎藤元彦知事:記憶にないですね。何らかの指摘しても、私も色んなレク受けているので、1つ1つ覚えていない。知事トップとして失念していることもあるので、報告受けていないのは合理性あるのかなと。
■元県民局長の処分は「適切だった。文書を書いたことが悔しい、つらい」

さらに、告発した元県民局長に対する処分についても質問が…
自民党 長岡壯壽委員:元県民局長の停職3カ月の処分は、不適切だったと思うか?
兵庫県 斎藤元彦知事:適切だったと思います。事実でないことが多く含まれていて、誹謗中傷性が高いと認識したので、その処分は適切だったと。
そのうえで、告発した元県民局長の文章を「嘘八百」と発言したことについて、当時の心境を語った。
兵庫県 斎藤元彦知事:元々、私も彼(元県民局長)とは、宮城県にいた時から知っていた仲で、よく飲んだりもしていた。どうして同じ仲間で一緒に仕事していた人が、こういう文書を書いていたんだろうと、本当に悔しい、つらい思いがありまして、ああいった表現(「嘘八百」)をさせていただいた。
時折、謝罪の言葉を語りつつも、パワハラ疑惑や職員への処分について、これまで通りの主張を繰り返した斎藤知事。 午後3時から始まった証人尋問は、午後5時30分ごろに終了した。
(関西テレビ「newsランナー」2024年8月30日放送)