企業誘致をめぐる議会答弁で「工場勤務は高卒レベル」などと不適切な発言をして議会から辞職勧告を突きつけられている新潟県上越市の中川幹太市長が8月23日に続投を表明した。「市政の継続を望む声」があったことが続投を決めた理由だという。

不適切発言の市長 続投表明「職務全うしなければ」

「覚悟と決意を持って、引き続き、市長として職責を果たしていきたいと考えを固めたところでございます。今後は市議会をはじめ、多くの皆様からの厳しい声を厳粛に受け止めつつ、次世代を担う子どもたちや若者をはじめ、全ての市民の皆さんがずっと住み続けたいと思える街をつくりたい」

23日の会見で市長職の続投を表明したのは、上越市の中川幹太市長だ。

上越市 中川幹太 市長
上越市 中川幹太 市長
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企業誘致に関する議会答弁で「工場では高校卒業程度のレベルの人が働いている。頭のいい人だけが来るわけではない」と学歴差別ともとれる発言をして批判を浴びた中川市長。

7月に開かれた市議会の臨時会で辞職勧告決議が可決され、その進退が問われていた。

上越市議会
上越市議会

続投を決意した理由について、中川市長は「政策を実現していただきたい。市政を継続していただきたい。市長には頑張っていただきたいという声は届いている。私としては職務を全うして、誠心誠意、政務を実行していかなければいけない」と話した。

議会は反発 リコール運動の動きも…「誠心誠意説明を」

しかし、市民団体が中川市長に辞職を求めるための集会を開くなど、リコール運動の動きもある。

議会が反発していることで、市政の停滞につながる恐れもあるが、「市民生活に直結するような事案については、議会の皆さんからもご理解をいただいて、審議については進めていかなければいけないのかなと思うが、それについては私としてもご理解を求めると思っているし、とにかく職責を全うしていくために、誠心誠意、皆さんに説明していきたい」と話した。

議会に否決された自身の給与削減案については再び提出せず、市長退任後に提案した減給額相当を上越市へ寄付する考えを示したが、続投表明で議会のさらなる反発が予想される。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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