小泉進次郎元環境相が自民党総裁選に出馬の意向を固め、注目を集めている。
小泉氏が総裁に選ばれれば、史上最年少での自民党総裁となる。
地元では若手リーダーへの期待が高まる一方で、党内の若手議員から経験不足を指摘する声も上がっている。

父親の地盤を受け継ぎ政界入り

21日午前11時ごろ、自民党本部に姿を見せたのは、総裁選挙に出馬する意向を固めた小泉進次郎元環境相だ。

衆院選立候補を表明する小泉進次郎氏(当時27歳・2008年9月)
衆院選立候補を表明する小泉進次郎氏(当時27歳・2008年9月)
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記者が「出馬意向の報道が出ているが?」と質問すると、小泉氏は「今、周辺の報道ですから、ひとつひとつお答えすることは控えさせていただきます」と答えた。

その後、記者の質問には答えず、自民党本部の階段を無言で降りていく小泉氏を、記者が追いかけた。次に口を開いたのは、「期待の声については?」という質問に対してで、小泉氏は「ありがたくいただいております」と回答した。

抜群の知名度がある小泉氏の参戦で、総裁選の構図は、大きく変わりそうだ。

現在43歳の小泉氏が、初めて報道陣の前に姿を見せたのは、23年前の2001年で20歳の時。
当時の首相で父親の小泉純一郎氏と、キャッチボールする姿を見せていた。
それから7年後、引退した父親の地盤を受け継ぎ、政界入りを目指した。

当時27歳だった小泉氏は「私、小泉進次郎は、次の衆議院議員選挙に、ここ三浦、そして横須賀から立候補する決意を固めました」と話していた。

小泉氏の初当院の様子(2009年9月)
小泉氏の初当院の様子(2009年9月)

翌2009年5月には、地元の祭りに参加した小泉氏を密着取材していた。
この時は28歳で、長めの髪の毛が印象的だった。
「手が柔らかいの~応援してますから!すてき!」と声援をかけられる一方で、「世襲、はんたーい!」という、世襲批判の声も浴びていた。

その年の7月に行った初陣の街頭演説では、緊張もあってか初々しい様子だった。
そして、2009年8月30日、自民党が下野する中で初当選を果たした。

初登院では、記者の「総理大臣を目指したい?」という質問に対して、「『総理大臣になってほしい』と思っていただけるような衆議院議員になることです」と答えていた。

その後、党内で存在感を示していき、“将来の総理候補”と目されるようになった。
2019年7月、記者が「自分が総理になって改革をしていくか?」と質問すると、「私が変えたいじゃなくて、国民のみなさんが、変えたいと思ってもらえるかどうかが大切」と答えていた。

“セクシー発言”が物議を醸した小泉氏
“セクシー発言”が物議を醸した小泉氏

そして、2019年8月にはフリーキャスターの滝川クリステルさんと電撃結婚し、世間を驚かせたこともあった。
当時38歳の小泉氏は「政治家・小泉進次郎から、人間・小泉進次郎に…」とコメントしていた。

その翌月、当時の安倍政権で環境相として初入閣。
ニューヨークで行われた環境関連のイベントでは、「気候変動のような大きな問題は、楽しく、かっこよく、セクシーに取り組むべきだ」と発言し、環境関連のイベントで飛び出した、“セクシー発言”が物議を醸した。

ライバルたちの動きも活発化

現在43歳の小泉氏が、仮に総裁に選ばれた場合、史上最年少での自民党総裁となる。

小泉氏の地元・横須賀市民からは、「いよいよ今回は行けるんじゃないかと、期待はすごくしている」、「年寄りよりかは若いのがいい。これだけ世の中変わっていくから」と、総裁選出馬に歓迎の声が上がっていた。

一方で、党内の自民党若手議員からは、「どういう政策をしたいのか、まったく分からない。経験不足感が否めない」という声も出ている。

出馬表明している小林鷹之前経済安保相(49)
出馬表明している小林鷹之前経済安保相(49)

小泉氏の参戦で、事態が大きく動いた総裁選。
ライバルたちの動きも、活発化している。
一番乗りで出馬を表明した49歳の小林鷹之前経済安保相は、21日、岸田首相に出馬のあいさつをした。

その様子について、小林鷹之前経済安保相は「岸田首相から、がんばれと」と話し、記者から、小泉氏の立候補について質問されると、「私自身はチャレンジャーの立場。知名度もゼロからの挑戦ですので、先輩議員の胸をお借りする気持ち」と答えた。

総裁選をめぐっては、石破茂元幹事長(67)が24日に、河野太郎デジタル相(61)が26日に出馬を表明する方向で準備を進めている。
さらに、林芳正官房長官(63)や、茂木敏充幹事長(68)も出馬を調整している。

一方、野党の立憲民主党は、9月23日に行われる代表選挙をめぐって、21日午後3時半過ぎ、枝野幸男前代表(60)が「人間中心の経済を実現する。日本の活路はこれに尽きる」とコメントし、出馬を表明した。

さらに21日、馬淵澄夫元国交相(63)も、出馬に向けて熟慮したいと述べたほか、野田佳彦元首相(67)や、江田憲司元代表代行(68)の出馬も取りざたされている。

「費用をかけないよう」通知

青井実キャスター:
“裏金”など「政治とカネ」の問題が取りざたされたあとの総裁選でもありますが、莫大(ばくだい)なお金がかかるようです。

宮司愛海キャスター:
自民党の渡海政調会長は、100万人以上いる自民党の党員全員にパンフレットを郵送するのに「約1億円」、いわゆる電話作戦にも「1000万円以上」かかると説明しています。

青井キャスター:
ーー最大11人立候補したらその分、かけ算で増えていくということですね?

スペシャルキャスター・パックン:
せっかく意思をはかるための選挙なので、この収支報告からクリーン化して、ここで一新の気持ちを見せてくれればうれしいと思います。

宮司キャスター:
渡海政調会長は「こういう選挙は考え直した方がいい」と発言しており、さらに総裁選挙管理委員会の逢沢一郎委員長も自民党議員に対して、「今回の総裁選に関係する告示前の活動、いわゆる事前運動についても、極力、費用をかけないよう努めるべき」という方針への協力を求める通知を送り、徹底を図るということです。

青井キャスター:
自民党がどう変わっていくのかだけでなく、お金がかからない総選挙になるのかどうかにも注視していきたいです。
(「イット!」 8月21日放送より)

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