大雨で11隻の観光船が流された山形・戸沢村の「最上川舟下り」。そのうちの1隻が8月21日、秋田の海岸から戻ってきた。修復して再び使えるようになるには4カ月かかるという。

「この船は大事にしないといけない」

約100km離れた秋田県の海岸から戻ってきた「第一もがみ丸」を見てみると、屋根は跡形もなく、所々に傷も確認できた。

所々に傷も確認できる
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しかし、最上峡芭蕉ライン観光・船頭の山科亨さんによると、エンジンは残っており、船体に穴もなさそうだという。直せる見込みがある船を見て、山科さんは「何とか直してあげたい。直してもう1回、最上川で舟下りしてほしい」と話す。

7月の大雨で、観測史上最も高い10.57メートルの水位にまで上昇した船着き場。川岸に係留していた観光船は次々に濁流に飲まれ、16隻のうち11隻が下流に流された。

ほとんどは庄内町で見つかったが、「第二十芭蕉丸」が酒田市の河口付近で、そして小型船の「第一もがみ丸」は約100km離れた秋田・にかほ市の海岸に漂着した。これらの船を金浦漁港の漁師が、21日まで港につなぎ留めてくれていた。

秋田ではその後、さらに50km北の下浜海水浴場で「第13芭蕉丸」も半壊状態で見つかっている。流された船はその後すべて見つかったが、修理して再び使えるようになるのは「第一もがみ丸」を含めて4隻だけだった。

山科さんは「割れないで残った窓があるのもすごい。なんかすごい感慨深い。あの脅威に打ち勝った船ですから、この船は大事にしないといけないと思う」と話す。

最上峡芭蕉ライン観光は、流されずに残った5隻の船で8月から運航を再開していて、修理する4隻のうち「第一もがみ丸」は年内、ほかの大型船3隻は秋の紅葉シーズンに間に合わせたいとしている。

(さくらんぼテレビ)

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