自民党の次期総裁選に出馬しない意向を表明した岸田総理大臣。突然の発表に国内に衝撃が走った。総裁が代わることで自民党は生まれ変わるのか…野党議員からは冷ややかな言葉が聞かれた。
岸田首相“総裁選不出馬”に新潟からも驚きの声
「自民党が変わることを示す、最も分かりやすい最初の一歩は私が身を引くことである。私は来る総裁選には出馬いたしません」
8月14日に会見を開き、「政治とカネ」をめぐる問題の責任をとり、次期総裁選に出馬しないと明言した岸田首相。

急転直下の展開に新潟駅でも号外が配られた。
号外を受け取った人からは「びっくりした。絶対、総裁選に出ると思っていた。でも、他の人がいるならそのほうが良い」「急すぎる。別にまだ辞める必要はなし。まだ、これからやってもらわなくてはダメな政治家」「総裁選での勝算がないからということではないか」「本当にしらけムード。もう、だいたい誰も他の人に変わってほしいとも思っていないのではないか」など様々な声が聞かれた。

“政治とカネ”問題 処分受けた議員は「申し訳ない」
衝撃が広がっているのは自民党内でも…「このタイミングであのような記者会見をされたというのは、びっくりした」
こう話すのは、旧新潟2区選出の細田健一衆院議員だ。

岸田首相の決断に対しては「自民党が変わったということを示すために、自ら身を引かれるという判断をされたということだから、そこは高く評価をしたいと思うし、非常に重い決断をされたと思う」と語った。
高く評価すると話す一方で、細田議員は派閥からのキックバックを収支報告書に記載していなかったとして党から戒告処分を受けた議員の一人。
こうした「政治とカネ」をめぐる問題が岸田首相の身を引く引き金になったことについては「もともとは安倍派の人間なので。その意味では、申し訳ない」と話した。
「中堅・若手議員の台頭必要」小林議員は出馬表明を前に来県
岸田首相の不出馬により、今後、加速していくのが「ポスト岸田」をめぐる争いだ。
旧新潟3区選出の斎藤洋明衆院議員は「自民党を変える」ためには中堅・若手議員の台頭が必要だと訴える。
「若手・中堅がまさに自民党を変えるパワーを持っているんだと、国民の皆さんからご理解をいただけるような総裁選にしたい」

こうした中、総裁選候補に名前が挙がっている前経済安保担当相の小林鷹之衆院議員が8月18日に来県。
燕市での講演では、「数の力で人事やお金を何か動かすのではなくて、能力や経験に基づいて、適材適所の人事を行っていく当たり前の組織に、自民党を変えていく」と党改革への意欲を示した。

小林議員と選挙区内を回った斎藤議員も「もちろん、若手・中堅から手を挙げるとすれば、極めていい。有力な候補の一人だと思っている」と話す。
総裁選へ期待することは…「活発な議論」「国民の不信解消」
早くも総裁選への駆け引きが始まる中、鷲尾英一郎衆院議員(比例北陸信越ブロック選出)は「総裁選では自民党が生まれ変わるために活発な議論を期待したい。内向きな議論でなく、国民・県民に向けて明確に訴えることのできる議論を期待したい」とコメント。

また、泉田裕彦衆院議員(比例北陸信越ブロック選出)は「次期総裁は、裏金問題に対する国民の不信を解消する政治改革を行える人を選出したい」とコメントしている。

立憲・米山議員「何も変わっていない」 解散総選挙へ警戒も
「自民党を変える」との言葉を並べる自民党議員に対し、立憲民主党県連幹事長の米山隆一衆院議員は「これで自民党が変わったという空気は出るんだと思う。でも、実際には何も変わっていない。政治資金規正法を非常に手ぬるい感じで終わらせたわけだから、事実と違う演出をしようとはしていると思う」と批判。

さらに「無責任な辞め方であったと思う。自民党を変えるなら、変えてから辞められたらよかったのでは」と指摘。
その一方で、総裁選後の解散総選挙への警戒を強めている。「新しい総理総裁でも戦える体制をきちんとつくっていくということだと思う」

自民党の総裁選、立憲民主党の代表選が予定され、政局が大きく動こうとする中、国民に寄り添った政策論争がどのように展開されるかにも注目だ。
(NST新潟総合テレビ)