パリオリンピックの体操女子床の決勝でアメリカとルーマニアの選手の順位が採点をめぐり二転三転している問題で、CAS=スポーツ仲裁裁判所は、一部の委員がルーマニアに肩入れしたと指摘するアメリカの一部報道を非難する異例の声明を発表しました。

この問題は今月5日に行われた体操女子の種目別床の決勝で、アメリカのジョーダン・チャイルズ選手がD難度の得点を加えるよう申し立てたのが認められ、銅メダルに繰り上がったものです。

これに対して3位から4位に転落したアナ・バルボス選手とルーマニア側は、チャイルズ選手の申し立てがルールで定められた1分以内を超えていたとして、CASに対して判定の異議を申し立てました。

その後、CASはルーマニア側の申し立てを認めて銅メダルはバルボス選手に授与されることになりましたが、これを不服としてアメリカ側が改めてCASに提訴しました。

しかしアメリカの体操連盟は10日、CASから「再検討を認めない規則であるとの通告を受け失望している」と提訴を却下されたことを明かし、アメリカの一部メディアは「CASの裁定に関わった委員がルーマニアの代理人を長く務めた人物」などと報じました。

こうした報道を受け、CASは14日、「委員、とりわけ議長が他の職業に従事したり、国籍上の理由で偏っていると主張するアメリカの一部メディアのとんでもない主張を非難する。」との異例の声明を発表しました。

アメリカの体操連盟は「スイス連邦裁判所への提訴を含めてあらゆる手段を追及する」として、引き続き行動を起こす姿勢を示しています。

フジテレビ
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国際取材部
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