共働きの家庭が増える中、その役割が大きくなっている保育園。そんな園で過ごす時間だけでなく、家での時間も親子で充実させてほしいと、新潟県見附市の保育園で保護者の負担を減らす取り組みを行っている。その取り組みを取材した。

着替えや寝具…洗濯・管理をするのは保育園!

新潟県見附市にある「みつけの保育園」に登園してきた2歳の小林透河(とうか)くん。

この日はプールの日!登園後、水着に着替えて、さっそくプールに向かう。熱中症に気を付けながら透河くんも水遊びを満喫した。

みつけの保育園で水遊びをする透河くん(右)
みつけの保育園で水遊びをする透河くん(右)
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多くの園では濡れた水着や汚れた洋服はその日のうちに自宅に持ち帰るが、この園では水着を園内で洗濯し、自宅に持ち帰らず園内で管理している。

園で水着を洗濯・管理
園で水着を洗濯・管理

保護者の負担を減らそうと、みつけの保育園で行っていたのは「手ぶら保育」。

野田峰子施設長は「“手ぶら保育”は、本当に何も持たないで来てもらおうと思った。なので当然、着替え類とか寝具類、そういうものはない」と説明する。

保育士のほかに掃除や洗濯を専門に行う子育て支援員が常駐し、保護者に代わって洗濯などをしてくれる。

掃除・洗濯を専門に行う子育て支援員が常駐
掃除・洗濯を専門に行う子育て支援員が常駐

その狙いについて、野田施設長は「帰ってからの時間を保育園で汚れた物の洗濯に使う。そういうことを省いてあげられれば、少しお父さん・お母さんに余裕ができていい」と話す。

持ち物は水筒だけ!家事の負担軽減に「遠くても選んだ」

共働き世帯が増加する中、こども家庭庁によると、全国の保育所などの利用率は増え続け、2023年は52.4%に。

県内でも71.7%と多くの子どもたちが保育所などに通っていて、みつけの保育園でも現在、市の内外から34人が通っている。

給食で汚れたエプロンや昼寝用の布団も園内で洗濯するため、持ち帰る必要はない。夕方になり、透河くんを迎えに来た小林さんも水筒だけを持って帰宅する。

透河くんを迎えに来た小林さん、持ち帰るのは水筒だけ
透河くんを迎えに来た小林さん、持ち帰るのは水筒だけ

小林さんは夫婦共働きで、小学2年の士剣(しづる)くんと透河くんを育てている。

小林さんは、士剣くんの時は近所の別の保育園に預けていたが、「これは私が楽できるチャンスだと。少し遠くても車の時間はお話していればいいし、そこはカバーできるかなと、遠くても選んだ」と話す。

園では自然の中でのびのびと!家では親子の時間大切に

実際に家事の負担も減ったほか、泥遊びや絵具遊びなど家では汚れることなどを気にして避けてしまいがちな遊びも積極的に行ってくれることもこの園を選んだ理由だという。

「子どもは楽しそう。私たちがしてあげられないことも園でしてもらっているし、それを全部園で完結してくれるのは本当にありがたい。洗い物もないので」

泥遊びも積極的に!
泥遊びも積極的に!

野田施設長は「子どもたちがのびのびと、自然というか土・植物・木の実・虫などと触れ合いながら発見をしていけたらいいなと思っている」と話す。

親子の時間を大切にするとともに、子どもたちの可能性を広げたい…手ぶら保育に込められた思いだ。

(NST新潟総合テレビ)

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