記録的な猛暑と水不足の影響で2023年、新潟県では貯水率が0%となるダムも見られた。2024年も猛暑による水不足が懸念されるが、ダムの水は十分あるのか…梅雨が明け、本格的な夏を迎える中、ダムの現状を取材した。

猛暑に水不足…ダムの貯水率0%に

2023年8月、水位が大きく下がり、ダムに貯まっている水が茶色く濁っていたのは五泉市にある早出川ダムだ。

早出川ダム(2023年8月)
早出川ダム(2023年8月)
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ダムを管理する県新津地域振興局の横山弘幸課長が「平成6年以来の渇水ということで、ダム管理して長い人もいるが、ここまでになるのはかなり珍しい」と話すほど渇水は深刻化していた。

治水や水力発電・農業用水の3つの役割を持つ早出川ダムだが、記録的な猛暑に加え、雨が全く降らなかったことで2023年、貯水率が0%に。

発電は1カ月半以上できず、水田の一部では稲が枯れるなどの被害も確認されたという。

渇水被害から1年…今は水量十分

ダム関係者や農家などを悩ませた渇水被害から1年…8月6日現在の早出川ダムの貯水率は89.7%で例年よりやや高い数値となっていた。

早出川ダム(2024年8月6日)
早出川ダム(2024年8月6日)

水量が一定以上ある2024年と2023年を比べると、水位や水の濁りなど全く違うことが分かる。

県新津地域整備部の五十嵐正己副部長は「今のところ、発電も予定通り運用している。雨に関しては我々がコントロールしているわけではないので、何とも言えない。絶対ということはないが、去年ほどひどい状況にはならないと考えている」と話した。

早出川ダム周辺では8月に入ってから雨は降っていないが、7月末に大雨が降ったことから、8月6日現在で1秒間に約2トンの水がダムに流れ込んでいる。

今後も猛暑予想…「洪水・渇水への準備を」

このダムに流れ込む水と同量の水を排水し、発電や農業用水として活用しているが、県は近年続く異常気象への警戒を続けていく考えだ。

「急に洪水になるような豪雨もあれば、渇水になるようなこともある。昨今そういったことがどこで起きてもおかしくないので、我々としては洪水になったときの対策の手順や準備、それから渇水になったときの手順や準備をいま一度振り返って見直していく」

県によると、県内には農業用ダムが23カ所あるが、8月6日時点で、貯水率が心配されるダムはないという。

ただ、今後も猛暑が予想されることから、引き続き、農作物の管理には注意が必要だ。

(NST新潟総合テレビ)

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