新たな姿に変化した”ポケベル”が話題
1990年代に特に流行した「ポケベル(ポケットベル)」。公衆電話などから、2桁の数字で1文字を表す、いわゆる「ポケベル打ち」をした人も多いかもしれない。
それが今、現代のあるSNS用の専用端末になり話題となっている。
ツイッター投稿専用端末できた。ポケベル打ちで文字入力できて、ボタンひとつでツイート可能。打てるのはカタカナと英数字のみです。 pic.twitter.com/yggtLBI89f
— NEKOPLA 斎藤 (@kawausokawauso) August 7, 2020
ツイッター投稿専用端末できた。ポケベル打ちで文字入力できて、ボタンひとつでツイート可能。
打てるのはカタカナと英数字のみです。
見た目はレトロ感あるプッシュ式の電話だが、実は通話はできず、Twitterに投稿するためだけに作られた専用の端末だというのだ。
かつてポケベルは、学生から社会人にまで幅広い世代に利用されていたアイテム。「あ」と表示させるには「11」などと電話のプッシュボタンを2タッチしていた。
その“ポケベル打ち”が、現代のネットツールとコラボして戻って来たのだ。投稿をしたのは、「TOKYO FLIP-FLOP」で創作活動などをしているNEKOPLA斎藤(@kawausakawauso)さんだ。
斎藤さんは、電子工作が趣味で、普段からいろいろなものを作っているそう。なおTwitterへの投稿だが、この端末にポケベル打ちで文字を入力し、最後に赤いボタンを押せば完了。
ナレレバ ハヤイヨ
— NEKOPLA 斎藤 (@kawausokawauso) August 7, 2020
すると斎藤さんのTwitterには、このように「ナレレバ ハヤイヨ」などと表示されるのだ。
ポケベル打ちは、現在のスマホで言うと“フリック入力”といったところだろうか?
しかしそもそも、なぜ今の時代にポケベル打ちをする「ツイッター投稿専用端末」を作ったのだろうか。斎藤さんに話を聞いた。
「ポケベルの代わりになるのはTwitter」
ーー作ったきっかけを教えて
高度な技術よりも、どこかチープで味のある技術や仕組みが好きなので、そういった技術を使って何か作れないかいつも考えています。
そんなときに「ポケベル打ち」を思い出しました。今だったらポケベルの代わりになるのはTwitterだろう、じゃあポケベル打ちとTwitterを融合したら面白いかも……というのが発端です。
ーーどうやって作ったの?
ポケベル打ちといえば電話機ですので、レトロな電話をイメージした外観を3Dプリンタで作成しました。
プッシュボタンは、ジャンク品として売られていたものを100円で買ってきたものです。中にはESP32という小型のコンピュータを入れていて、それで通信を行っています。
ーーどうやって投稿されるの?
Twitterの投稿には、サービス同士の連携に使われるIFTTT(イフト)というウェブサービスを使っています。
本体の中に入っているESP32という小型のコンピュータを使い、IFTTTへ文章を送信します。するとIFTTTからTwitterに自動で投稿が行われるようになっています。
わざと汚しを入れてレトロな雰囲気に
ーーこだわった部分はどこ?
レトロフューチャー感を出すために、角張った見た目にしています。あとはわざと汚しを入れて、懐かしい感じが出るように工夫しました。
Twitterカラーのブルーに塗装したのも、こだわりのポイントです。
ーー難しかった部分は?
外装を作るのに一番時間がかかりました。何度も3Dプリンタで印刷して見た目を確認しながら、納得のいく形状に落とし込んでいます。
ーーネットで話題になっているけど、どう思う?
ここまで話題になるとは思いませんでした。「見た目が好き」と言ってくれている方が多くてうれしいです。
ーー反響はあった?
主にポケベル世代の方から、懐かしい! という声を多くいただきました。「##で送信」や、「最初に*2*2を打つ」など、当時の懐かしネタもたくさん頂いて参考になりました。
ーー最後に、ポケベルの思い出はある?
ポケベル全盛期に私は小学生だったので、実際に使ったことはありません。ただ当時の空気感はなんとなく覚えていて、新しいもの好きだった私にはあこがれの存在でした。
憧れの存在だった”ポケベル”を新たに次世代のツールに変化させた斎藤さん。ほかにもいろいろな創作をしているとのことで、今後の作品も楽しみだ。
【関連記事】
公衆電話からスマホにメールが送れる!? ドコモの担当者「利用者はゼロではありません」
ポケベルが再び脚光! “電波”の特性をいかし防災に活用されていた