梅雨前線の影響で、記録的大雨となった山形と秋田。
その影響で山形を流れる最上川などの河川が氾濫し各地で被害が相次いた。
いったい何が起きたのか取材した。
孤立する町でタオル振り助けを求める人
7月25日午後9時すぎ、山形・酒田市では、雷をともなう激しい雨が降り、雷が時折激しく光り、夜がまるで昼間のように明るくなっていた。
一夜が明け、被害状況が明らかになった。

山形・酒田市の最上川河口では、川幅が広くなり、河川敷まで水が押し寄せている。

市内では、住宅や農業用ハウスが水没していた。
住宅2階の屋根に登り、白いタオルのようなものを振って助けを求める人の姿もあった。

最上川が氾濫したことで、戸沢村では蔵岡地区の一部が水没し、住民が孤立。
この事態を受け、自衛隊がヘリで救助に向かい、住宅の2階から住民を救助していた。
新庄市では、25日午後11時45分ごろ、救助要請を受けて現場に向かっていたパトカーが流された。

行方がわからなくなっていたパトカーが見つかった現場では、田んぼが川のようになっていた。
パトカーには、いずれも20代の男性巡査部長と巡査長が乗っていて、巡査長が自ら「流された」と110番通報。
付近に止まっていた車3台からは、3人が救出された。

近くに住む人:
私が午前4時半ぐらいに、朝ね、「助けてけろー」というふうに聞こえた。待ってろよー生きてたかーと声かけしました。それでうちの家内が110番通報しました。
ーー無事でいた?
近くに住む人:
無事で救助されました。
さらに26日、新田川の下流で行方不明になっていた警察官のうち1人が見つかった。
心肺停止だという。
家が浸水 裏山が崩れ住宅倒壊
降り続く大雨により、午前8時ごろ、山形県を流れる鮭川でも氾濫が発生した。

鮭川が氾濫し、堤防を越えて土砂が押し寄せ、道路には流木などが積み重なっていた。
住宅では、水が家の中にまで入ってきたという。

住民:
こういう状態だよ。どうしようもない感じ。
ーー今までこういう被害は?
住民:
ない。80歳近いけど初めて。

舟形町では、25日午後11時半ごろ、裏山が崩れ住宅が倒壊。
倒れた建物により、車が押しつぶされていた。
この倒壊で、中にいた女性(80)が建物に挟まれて動けなくなり、消防などが救助にあたった。
女性は、26日午前6時すぎに救助され、命に別条はないという。
秋田でも浸水・土砂崩れ相次ぐ
秋田県でも断続的に雨が降り、河川が氾濫。
大規模な浸水被害が出ている。

湯沢市では25日、高速道路の工事現場で土砂崩れが発生。
60代の男性が巻き込まれたとみられ、現在も行方がわかっていない。
また、秋田市で25日から行方不明となっていた佐藤義雄さん(86)は、26日朝、雄物川で発見され、死亡が確認された。

25日夜、記録的短時間大雨情報が発表された北秋田市阿仁水無地区では、住宅裏の斜面が崩れ、建物の一部が宙に浮いた状態になった。

住民:
えらい雨だった。
ーー崩落に気づいたのは?
住民:
(夜の)12時、電気が消えたから。その時に電柱から何から1回で落ちたのだろう。どうするものか…困った…。

秋田・山形両県では、このあとも断続的に雨が降る見込みで、引き続き河川の氾濫や土砂災害などへの警戒が必要となる。
(「イット!」7月26日放送より)