アメリカ大統領選挙で、ハリス氏が初の選挙集会で元検察官としての経験をふまえ、トランプ氏を“前科者”として非難した。
最新の世論調査では、ハリス氏の支持率がトランプ氏を上回る結果となっている。
トランプ氏を追及するハリス氏
アメリカ大統領選で、民主党からの候補者指名が確実となっているハリス氏が、初めて選挙集会で演説し、検察官の経験をふまえてトランプ氏への攻勢を強めた。

ハリス氏は23日、15日から18日に行われた共和党大会で、トランプ氏が大統領候補に決まったウィスコンシン州で初めて選挙集会を開いた。
ハリス氏は、演説で検察官の経歴をふまえ、「有罪判決を受けたトランプ氏に勝てる候補者だ」と訴えた。
ハリス氏が「私はドナルド・トランプのような人間を知っている」と話すと、会場からは歓声が上がった。
現地メディアは、トランプ氏を追及するハリス氏のこのセリフが「選挙戦のキャッチフレーズとして定着することは間違いない」と報じている。
トランプ氏支持率上がらず…ハリス氏が2ポイントリード
ここからは、アメリカ大統領選をめぐる世論について解説する。
青井実キャスター:
ーー早速、ハリス氏が党内での支持を固め、好スタートを切ったように見えます。「私はトランプのような人間を知っている」という発言は、どういう意味でしょうか?

スペシャルキャスター パックン:
ハリス氏は、元検事です。トランプ氏は、民事裁判で性的暴力の加害が認められています。
また、刑事裁判で重罪の有罪判決を受けるなど、トランプ氏はいわゆる“前科者”です。そういう意味で、「私はこんな人を懲らしめることができるぞ」と訴えており、分かりやすい対決の構図となっています。

青井 キャスター:
そんな中、驚きのデータが出ました。ロイター通信が行ったバイデン大統領が撤退したあとの最新の世論調査で、ハリス氏の全米での支持率が「44%」となり、「42%」のトランプ氏を2ポイントリードしたと発表しました。
さらに56%の人が、ハリス氏は「精神的に鋭く、困難に対処できる」と評価しています。これまでの世論調査では、トランプ氏がリードするなど勢いをつけていたように見えました。

スペシャルキャスター パックン:
トランプ氏は、暗殺未遂を乗り越え、全国の党大会を成功させたあと、本来は支持率が跳ね上がるはずです。
しかし今回、トランプ氏の支持率はあまり変わっていません。堅い支持層はありますが、過半数の国民に好かれていないようです。
今までのトランプ対バイデンの構図では、トランプ氏が78歳、バイデン氏が81歳と、バイデン氏の年齢が一番の弱点でした。しかし、相手が59歳と若いハリス氏に変わったことで、トランプの一番の強みが消えました。
世論調査が外れたケースも
青井キャスター:
ーーハリス氏が不人気という声もあったとのことですが、これはどういうことでしょうか?

立石修解説委員室長:
不人気だったのは副大統領候補としての評価であって、大統領候補としては違いがあります。これまで誰にも投票したくないという若者が多かったですが、若者に人気の英歌手・チャーリーXCXさんが、SNSで「カマラはやんちゃ」と称えると、Z世代がネット上で反応し、やっと若年層に活気が出ました。

青井キャスター:
ーーただ、こうしたアメリカの世論調査というのは、どこまで信用していいものなのでしょうか?
スペシャルキャスター パックン:
例えば2016年のトランプ氏対ヒラリー氏の時は、世論調査が外れてトランプ氏が当選するなど、世論調査の信憑性が疑われています。
ただ、調査会社も学習して、調査のやり方、計算の仕方を調整し、精度を上げているはずです。完璧ではないですが、参考になると思います。
立石解説委員室長:
ただ、大統領選は激戦州の結果で決まるので、全国の世論調査ではなく、アリゾナ、ウィスコンシンといった激戦州の調査も見ないといけないと思います。
(「イット!」 7月24日放送より)