2021年2月9日、大分県大分市で起きた時速194キロの車による死亡事故について、裁判の初公判が2024年11月に開かれることになった。
遺族は「相手の素直な心情を知りたい」とコメントしている。

2021年2月、大分市大在の交差点で小柳憲さんが時速194キロの車と衝突し亡くなった。
大分地検は車を運転していた当時19歳の男を「過失運転致死罪」で起訴。
しかし、地検の判断に納得ができないと遺族は署名活動を行い、2万人以上の署名を大分地検に提出。その結果、より刑の重い「危険運転致死罪」に変更された。
この事故などを契機に国で議論も
大分の事故などをきっかけに、危険運転致死傷罪が適用されにくい現状が浮き彫りになり、自民党のプロジェクトチームは2023年、岸田総理に提言書を提出。
2024年2月からは法務省が警察庁の幹部や検察、裁判官などによる検討会を開き議論が進んでいる。

こうした中、大分の事故について7月10日、大分地裁で公判前整理手続きが開かれ初公判が11月5日に開かれることが決まった。
遺族「相手は3年5か月もの間、謝罪などは無く反省の態度を見ることは無かった」
時速194キロの運転は危険運転なのか、それとも不注意による過失なのか大分地裁の判断は全国的にも注目されそうだ。
事故で亡くなった小柳憲さんの姉・長文恵さんは「やっと期日が決まった。私たち遺族ができることは最大限の刑を望むことしかない。相手は3年5か月もの間、謝罪などは無く反省の態度を見ることは無かった。いまは相手の素直な心情を知りたい。また、高速度の事故が簡単な罪で終わらないようこれからも戦っていく」と話している。
事故現場にパトカー型の看板を設置
また7月18日、県警は事故が起きた道路の交通量が多いことなどから現場近くの中央分離帯にパトカー型の看板を設置。
設置は遺族が要望していた。

パトカー型の看板は警察の存在を知らせることで事故を抑止することが目的で、夜間は設置されたライトが常時点灯する。
設置を要望していた小柳憲さんの姉・長文恵さんは「運転している人たちにパトカーだと一瞬でも思ってもらうことが事故の抑止になる。事故は加害者も被害者も不幸になるため看板を見て安全運転を心掛けて欲しい」などとコメントしている。

(テレビ大分)