身長が低いほど暑くなる

昨年の実験では、都内のビル屋上に大人(170cm)と子供(120cm)のマネキンを並べ、それぞれの胸の高さ(150cm、80cm)で気温を測定(2023年5月17日、快晴の真夏日の午後1時45分~2時45分)。

結果、大人が31.1℃だったのに対し子供は38.2℃で、7.1℃の差が出た。

実験のサーモグラフィー画像(提供:サントリー食品インターナショナル)
実験のサーモグラフィー画像(提供:サントリー食品インターナショナル)

この差は、主に地面からの「照り返し」の影響によるものだという。つまり、身長が低くなればなるほど、より照り返しの影響を受け、気温も高くなることになる。

「120cmは小学1、2年くらいの身長ですが、それより幼い子供はより注意が必要になります」(以下、中井さん)

なお、ウェザーマップが「こども気温」に換算して“猛暑日(最高気温35度以上)”を算出したところ、2023年7~9月で通常の猛暑日が計22日だったのに対して「こども気温」では計56日あったという。

海やプール、お祭りは要注意

こうして数値化してみると子供の置かれた環境が分かりやすくなるが、さらにウェザーマップは今年、危険なシーンをまとめた「こどもの気温のきけんまっぷ」を発表。中でも、夏休みには特に注意したい場所があるという。

「こどもの気温のきけんマップ」
「こどもの気温のきけんマップ」

「実は、プールや海など、水辺も危険度が高いんです。直射日光だけでなく、水や海水、プールサイドや砂浜からの照り返しで体温が上がりやすい。また、水が口に入るために喉が乾いていることに気がつきにくいのです」

これからイベントやお祭りに出かける予定を立てている人も多いと思うが、そのような人混みも要注意とのこと。

「人が多く混み合っている場所では子供の身長の高さに熱がこもりやすくなります。また、行列に並んだり歩き回ったりして体力が落ちている時も熱中症の危険が高まります」