家にある材料を使ってパパッと食事を済ませたいときもあるだろう。
700以上のパスタレシピを考案し、インスタグラムに投稿するPastaWorksたかしさん。「冷蔵庫にこんな食材あったな」「休日は夫婦でこんなメニューを食べたいな」「もう仕事でズタボロだけどおいしいもの食べたい」そんな日々に寄り添うことがスタンスだ。
著書『10分パスタ』(KADOKAWA)では「白だし」「オリーブオイル」「パスタ」の3つの材料をベースに、ほぼ10分で作ることができて、アレンジが無限にできるレシピを取り上げている。
そこから10分パスタのポイントと、ツナオイルパスタのレシピを一部抜粋・再編集して紹介する。
10分パスタ、4つのポイント
【パスタをゆでてから完成までほぼ10分】
沸騰した湯にパスタを入れたところからカウントして、すべてのパスタがほぼ10分で完成します。ポイントはパスタのゆで時間を袋の表記より2分短くし、そのあと具材と一緒に煮込むこと。
例えば表記が8分なら、パスタを6分ゆで、そのあと具材や調味料と一緒に2~3分煮込み、器に盛りつけたらできあがり。
【パスタをゆでるときに塩は使いません】
パスタをゆでるとき、湯の量に対して一定の量の塩を加えるのが一般的ですが、10分パスタのレシピでは使いません。
そのため湯の量やそれに対する塩の量をはかる必要がなく、味もぶれにくいという特徴があります。パスタをゆでたあとに具材や調味料と一緒に煮込むので、麺にソースの風味がしっかりからみます。
【味のベースが整う白だし必須】
味の決め手は白だし。和風ベースのパスタだけでなくトマトベース、クリームベース、カルボナーラなどすべてのパスタに白だしを使っています。
それによって短時間の調理でも深いコクが出てプロのような仕上がりに。邪道と思われるかもしれませんが、白だしとオリーブオイルの組み合わせがパスタの新境地を開きます。
【黄金比を覚えればアレンジ無限!】
白だしとオリーブオイルをベースに他の調味料を加えることで、どんなパスタにもアレンジできます。
オイルベース、トマトベース、クリームベース、カルボナーラ、その他の5つのソースの黄金比を紹介しています。ソースに好みの具材を組み合わせればメニューは無限。オリジナルレシピの考案も楽しんでください。
基本の材料は3つ
●白だし
白だしは、昆布やかつお節のだしに薄口しょうゆやみりん、砂糖などを加えて作られた調味料。料理に深みを出してくれます。
高濃縮ではないもので、果糖ぶどう糖液糖や添加物の入っていないものがおすすめ。ボクはチョーコー醤油の「京風仕立て白だし」を使っています。

●オリーブオイル
オリーブオイルは、エキストラバージンがおすすめ。よく使うのはアルチェネロの「有機エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル」です。
1人前に大さじ2杯使いますが、パスタのゆで汁や牛乳と一緒に火にかけて煮込むので、オイルが乳化してサラッと軽いソースになります。
●パスタ
この本ではすべて1.6ミリのスパゲッティを使用しています。メーカーは問いません。1人分は80グラムですが、100グラムまでは同じレシピで作れます。
参考までに、ペットボトルの口いっぱいにスパゲッティを通した量が80~90グラム程度になります。太さや形状の異なるパスタを使うと煮込み時間が変わります。
オイルベースはゆで汁を加えるだけ
基本の材料となる「白だし」「パスタ」「オリーブオイル」をベースにして、ゆで汁が加われば「オイルベース」に、トマトケチャップを加えれば「トマトベース」に、牛乳を入れれば「クリームベース」とバリエーション豊かなパスタを作ることができる。

<基本の作り方>オイルベース(1人分)
白だし:大さじ2
オリーブオイル:大さじ2
+
ゆで汁:100ミリリットル
基本のオイルベースは1人分で白だし大さじ2、オリーブオイル大さじ2、パスタのゆで汁100ミリリットルで作ります。
オリーブオイルと白だしが同量入ることで、和風になりすぎないバランスのよいオイルベースになります。
ここに、にんにくと赤唐辛子を合わせるとペペロンチーノに、シンプルながら奥深い味わいが楽しめます。
●オイルベースにおすすめの具材
ツナやサバ、エビ、しらすといった魚介類は、素材からよくだしが出てソースの旨みが増します。鶏肉との相性も抜群、淡泊な鶏肉に白だしの風味が加わって食べ応えもアップ。
きのこだけ、野菜だけといったヘルシーなパスタでも、旨みが強いのでどんどん箸が進みます。
ツナのオイルパスタの作り方
<ツナのオイルパスタ>
スパゲッティ:80グラム
ツナ缶(オイル漬け):1個(70グラム)
大葉(ちぎる):1~2枚分
白だし:大さじ2
オリーブオイル:大さじ2
ゆで汁:100ミリリットル

<作り方>
■STEP1:スパゲッティをゆでる
1)鍋に湯を沸かす
鍋にたっぷり(ここでは2リットル程度)の水を入れて沸かす。塩を加えないため湯の量を正確にはかる必要はない
2)スパゲッティを入れる
スパゲッティを入れてトングなどでやさしく混ぜながらゆでる。火加減は弱めの中火
3)表記時間より2分短くゆでる
スパゲッティの袋の表記時間よりも2分短くゆでる。例えば、袋に8分と表記があったら6分ゆでる
4)スパゲッティをフライパンへ
時間になったらトングなどで麺をフライパンへ移す。ゆで汁を100ミリリットルとっておく
■STEP2:材料を合わせて煮る
1)フライパンに材料を入れる
パスタを入れたフライパンに白だし、オリーブオイル、ツナ(汁ごろ)、ゆで汁を入れて弱めの中火にかける
2人分を一度に作る場合、水分が煮詰まりにくいためゆで汁を150ミリリットルにし、塩気のある調味料を1.5倍、その他の材料を2倍にする
2)煮だったら2~3分煮詰める
煮だったら、ときどき混ぜながら2~3分煮詰める
■STEP3:仕上げる
1)器に盛って仕上げの材料をのせる
トングを使ってスパゲッティを器に盛りつけ、大葉をのせる

盛り付けにこだわるなら…
1)スパゲッティをトングでつかみ、くるくるまきながらお玉にのせる
2)お玉をずらすように動かしてスパゲッティを皿に移す。何度か繰り返して高さを出す
3)ソースをまわしかけ、大葉をのせて、完成!
注意:
●計量は大さじ1=15ml、小さじ1=5ml、1カップ=200mlのもの
●フライパンによって熱の伝わり方が変わるため、レシピの煮る時間は目安とし、調理中の様子を観察しながら調整してください。
●レシピには野菜を洗う、皮をむくなどは基本的に表記していませんが下処理を行ってからお使いください。

PastaWorksたかし
パスタ研究家、隠れ家レストランシェフ。国内外で食の仕事に携わった経験をいかし、700以上のパスタレシピを考案。「誰でも10分でパスタが作れる」簡単レシピ動画をInstagramに投稿したところ、大人気を博し、フォロワー数は24万人を超える