2024年7月14日にアメリカで開催される一輪車の世界大会に、福島県福島市の高校生・佐藤歩緒さんが出場する。日本で初めて成功させた大技を武器に、いざ世界へ。
勉強との両立 世界を目指す
福島市の高校2年生・佐藤歩緒(さとう ふお)さんは、小学1年生から一輪車競技を始め、全国大会で優勝経験もある国内有数の選手だ。

勉強と両立させながら、週に6日の練習を欠かさず行っている。佐藤選手は「優勝を目指して今頑張っているので、毎日乗って体を慣らさないといけない」と話す。

大技 車体回転900度
この日は、7月14日にアメリカで開幕する世界大会に向けて、最終調整を行っていた。優勝のカギを握るのは「車体回転900度」。ジャンプをしたあと、跳んでいる間に一輪車を2回転半させ、ペダルに着地する大技だ。

「半回転(180度)大きくしていくだけでも、かなり難しくて。720度から900度になると別次元で難しい。誰もやっていない領域になってきているので、成功すると一輪車楽しいなって思えたりします」と佐藤選手はいう。
監督でもある母と二人三脚
2024年3月の神奈川県での大会で、この技を日本で初めて成功させ、優勝に輝いた佐藤選手。所属クラブの監督でもある母の菜花さんと、二人三脚で世界を目指している。

「世界一」の夢を一緒に叶えるために、時には衝突もあったという。監督で母の菜花さんは「技術だけじゃなくて、感謝の気持ちや友達への思いやりや返事とか、そういう大事なものを備えて、初めてそこで勝ってやっと一流の選手なのだと。それを伝えるために厳しくしていた」と振り返る。

そんな時に佐藤選手が渡してくれたのが、思いを綴った手紙。そこには「世界チャンピオンを目指す」と書かれていた。

母・菜花さんは「もうちょっと、かける言葉を考えればよかったなっていう。この手紙で救われるというか、もっと頑張らなくてはと思ったりして」と話す。この手紙は、母・菜花さんの宝物になっている。
母への思い 期待を裏切らない
母の声援を背に、世界で10人はいないとされる「車体回転900度」の成功を目指す。佐藤選手は「反抗したりしていたが、やはりお母さんだから。一番頼れる存在。期待を裏切らないためにも、世界大会では実力を発揮できるようにしたい」と活躍を誓った。

アメリカでの世界大会で、佐藤選手はフリースタイルなど5つの種目に出場予定だ。
(福島テレビ)