円安の影響もあり、金沢でも外国人観光客の姿が多く見られるようになった。彼らが選ぶ宿泊先として、ホテルや旅館などのほか、金沢の伝統的な町家を一棟貸切るゲストハウスの人気が高まっている。今回は、「金沢を暮らすように旅をしてほしい」というコンセプトを掲げる「旅音」を利用したフランス人一家に同行した。

金沢町家で「暮らすように旅する」外国人観光客

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金沢市の中心部で複数の町家を一棟貸し切りの宿として提供している「旅音」、スタッフの窪田みゆきさんは、「かなり金沢にも観光の方が増えてきて、ホテルや旅館を選ばれる方も多いと思うが、町家だったり、私たちがやっている一棟貸し、一軒家の宿を選ばれる方もすごく多くなっています」と話す。

伝統的な日本家屋・町家が外国人観光客に人気

戦火を逃れた城下町・金沢に多く残る昔ながらの町家。この歴史的資源に宿泊したいという外国人も多いという。

窪田さんによると、日本の暮らしを体験したい人や、金沢は食べ物がおいしいことから、近江町市場や地元のスーパーに行って食材を買って、自分で調理して食べるというスタイルを好む人が多いそうだ。

金沢へ観光に訪れたフランス人一家に同行

この日、やってきたのはフランス・パリから家族旅行で訪れたスノードンさん一家。娘のエミリーさんの希望で日本への旅の目的地の一つとして金沢を訪れたという。宿泊先に町家を選んだ理由は日本の木造家屋に住んでみたいという憧れから。彼らが宿泊する金沢市の21世紀美術館近くにある町家に同行した。

早速、一家は建物の中へ。畳敷きの居間を見た父・ピーターさんは「パリをフラットにした感じ。インテリアを全部地面に埋めたみたい!」と驚いた様子。母・ミュリエルさんも「イメージ通りの伝統的な日本家屋だわ。すごく素敵。」と笑みがこぼれる。

初めて入る畳敷きの部屋に歓声
初めて入る畳敷きの部屋に歓声

居間の横には中庭を望む縁側が。ガーデニングが趣味だというミュリエルさん、この宿を選んだ決め手はこの庭だと話す。町家に宿泊することが彼らにとって日本の文化を体験する機会となっているのだ。

布団で寝るのも初めての体験
布団で寝るのも初めての体験

フランス人が感じた金沢町家の魅力とは

この宿で人気のヒノキ風呂や2階の寝室を見て回ったスノードンさん一家。金沢で親しまれている棒茶で一服しながら、日本家屋で気に入ったポイントを訪ねると…。

母・ミュリエルさん:
縁側がとても気に入った。この場所に名前があること自体に感動したわ。部屋と庭をつなぐ役割もあって、日本の美を感じる。
娘・エミリーさん:
私はヒノキ風呂。木が感じられて。
父・ピーターさん:
すべてがいいよ。どの部屋も雰囲気が似ている。フランスだとそれぞれの部屋の特徴が出るから。
母・ミュリエルさん:
日本の家は落ち着いているけど私の家は物が多すぎて散らかっている。フランスに帰ったら片づけるわ(笑)。

町家を通して日本の文化に触れる
町家を通して日本の文化に触れる

金沢に4日間滞在したスノードンさん一家。金沢市内の美容室でヘアカットをしたり、富山県の五箇山へ足を延ばしたりなど、気ままな旅を楽しんだという。その土地ならではの文化や暮らしなどに触れる滞在スタイルは、日本観光の新たな定番となりそうだ。

(石川テレビ)

石川テレビ
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