高知・香美市の若手農家の男性が花で故郷を元気にしようとあるプロジェクトを立ち上げた。そこには壮大な夢が広がっていた。
農業の楽しさを若者にアピールしたい
うだるような暑さの中、香美市土佐山田町のヒマワリ畑では、夏の花・ヒマワリが満開を迎え、1.2ヘクタールの広大な敷地を黄色く染めている。
この記事の画像(8枚)地域の一角に、まるで黄色いじゅうたんを敷いたような光景が広がっている。
仲間と共にこのヒマワリ畑を作ったのは、キャベツ農家の大峯悠聖さん(27)。麦わら帽子にオーバーオールという、漫画から抜け出したようないでたちだ。
「やっぱ若者はおしゃれが大事なんで若い世代にちょっと…基本、新規就農者を集めたいというのがあって」と話す大峯さん。農業の楽しさを若者にアピールしたいという思いがあるという。
香美市で生まれ育った大峯さんは、高知農業高校出身。
「植物が種から収穫できるまでがすごい楽しくて。自分が手をかけないといい野菜ができないとか、それがすごい楽しくて、将来自分の仕事になれば」と感じたことが農業の道を選んだきっかけだった。
修行のため日高村や愛媛で農業に従事した後、2020年に香美市に戻りキャベツやトウモロコシなどを作っている。
念願だった故郷での農業に励む大峯さん。生まれ故郷である香美市を盛り上げようと、ヒマワリ畑を観光地にして地域貢献できたらと思い、畑を作ったという。
大峯さんはこの場所を「高知県でも一番の畑にしたい」と語った。
ヒマワリを選んだ理由については「仕事のことを忘れて自分の時間ができる。ずっと見ていられる花。すごい好きで…」と話した。
明日も頑張ろうと思えるような場所に
2024年に立ち上げたこの活動は「若手農家向日葵(ひまわり)プロジェクト」で、大峯さんのキャベツ畑を使用。虫が多くキャベツの栽培を休んでいる期間、ヒマワリ畑として活用しているのだ。
プロジェクトの相棒は、SNSで知り合い意気投合した南国市のニラ農家・山下さん。
5月上旬に手作業で32万個の種をまき草刈りなどの手入れをしてきた2人。6月26日から咲き始めたヒマワリは満開となり見事な風景をつくり出した。
山下さんは「高知県、どんどん人が減っていく中で、観光スポットを自分たちで作って高知県を盛り上げて、僕たちがやってる農業の魅力を伝えられたら」と、意気込みを語った。
大峯さんはヒマワリ畑を「ほっこりするような、明日も頑張ろうと思えるような場所、空間にできたら」と話す。また、将来的にはさらに大きな規模でやりたいと考えており、今よりもっと大きい場所を香美市の中で探していきたいと考えているという。
大峯さんたちの熱い思いが詰まった「土佐山田のひまわり畑」は7月中旬まで楽しめそうだ。
(高知さんさんテレビ)