東京大学は熊本・美里町で新たな鉱物を発見し、『不知火鉱』(しらぬいこう)と命名したと明らかにした。不知火鉱は国内でも珍しい白金、いわゆるプラチナの鉱床で見つかり、ここではこれまでに3つの新鉱物が見つかっている。

美里町の川から新鉱物『不知火鉱』を発見

不知火鉱が発見されたのは、美里町を流れる川だ。不知火鉱は銅、硫黄、ロジウムを主成分とする鉱物で、これまで人工的な化合物としてはその存在が知られていたが、自然界で見つかったのは今回が初めてということだ。

この記事の画像(4枚)

不知火鉱を見つけた東京大学物性研究所の浜根大輔技術専門職員は「不知火鉱が存在することは砂白金を発見した時点の最初の方で分かっていたが、量が少なくてデータが揃わなかった」と、新鉱物発見までの苦労した点について話した。

浜根さんの研究グループは『不知火鉱』と命名し、2024年3月に国際鉱物学連合で新鉱物として認められた。不知火鉱は、浜根さんのグループが2019年に発見した国内でも珍しい砂白金、いわゆるプラチナの鉱床で見つかった。美里町の砂白金は、プラチナ系砂白金と呼ばれ、一般的に宝飾品や触媒として使われる。

浜根さんは「美里町でのプラチナ系元素の濃集、どう生まれて動いて僕らの手に入ったのかストーリーとして研究したい」と話し、美里町の砂白金の鉱床からは『不知火鉱』も含めてこれまで3つの新鉱物が見つかっていて、「まだ新鉱物が見つかると確信しているが、データと時間が必要で、世界との競争」と話した。

(テレビ熊本)

テレビ熊本
テレビ熊本

熊本の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。