鹿児島県知事選への投票を呼びかけるポスターが、急きょ差し替えに…。
その理由は「うっかりミス」だった。

「否定的な使われ方は見過ごせない」と指摘

鹿児島県選挙管理委員会が作成した、投票を呼びかける動画やポスター。
問題となったのは、その中で使われた「他力本願」という言葉の意味だ。

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「知事って、誰でもいい?…わけない!」というキャッチコピーとともに、「おやじギャグ知事」や「犬知事」「バーチャル知事」など、架空の立候補者の画像が並ぶポスター。

キャラクターの1人には「他力本願知事」がいる。

鹿児島県選挙管理委員会・事務局担当者:
「他力本願」という言葉は「もっぱら他人の力をあてにすること、他人任せにすること」という意味で使用しまして、「こんな知事には鹿児島県を任せておけない」と思ってしまうような、頼りない架空の知事キャラクターを表現する意図で使用したところでした。

「すべてを他人任せにする知事」という意味で作ったという「他力本願知事」。

これに抗議したのは、浄土真宗 本願寺鹿児島別院だ。

鹿児島県選挙管理委員会・事務局担当者:
「他力本願」という言葉を使用しておりましたけれども、本来の仏教上の意味合いに照らしたときに、言葉の使い方が適切ではないという趣旨のご指摘(を受けた)。

本願寺鹿児島別院の関係者:
「他力本願」とは、浄土真宗の中でも柱となる大事な言葉。間違った意味で否定的に使われるのは本意ではなく、見過ごすことはできない。

この関係者によると、「他力」とは「他人の力」ではなく、「仏様の願い・思い」のこと。
つまり「他力本願」とは、「仏様が人々を救おうと導いてくれる」という言葉なのだという。

この騒動に、鹿児島県の有権者は…。

有権者A:
意味をわかっている人がいなかったんじゃないですか、選挙管理委員会に。

有権者B:
難しいですよね、言葉って生き物だから、意味が変わっていってる。

「人まかせ知事」に変更後の動画
「人まかせ知事」に変更後の動画

選挙管理委員会によると、160枚ほど刷っていたポスターだけでなく、動画も「人まかせ知事」に変更。「今回のことをふまえ、これまで以上に表現等に留意していく」としている。
(「イット!」6月21日放送分より)