高校生の署名活動にブルボンが神対応

プラスチックごみ削減のため、高校1年生が「お菓子の過剰包装をなくしてほしい」という趣旨のオンライン署名活動を行ったことが、7月にネット上で賛否両論を呼び、大きな話題となった。

これに対し、この署名を受け取った菓子大手のブルボンが7月29日、ニュースリリースを出した。すでに実施している“プラスチック包装削減への取り組み”について丁寧に説明した内容で、Twitter上で称賛の声があがっている。

change.org
この記事の画像(6枚)

署名活動には約1万9000人が賛同

改めて整理すると、発端となったオンライン署名活動は、東京都内在住の高校1年生がウェブサイト「change.org」で立ち上げたもので、プラスチックごみが世界的な問題となっている中、多くの菓子が過剰包装されていると感じ、署名活動を行うことを決断。

署名活動のページには、このようにつづっている。

「私の好きなブルボンさんのブランチュールは、お菓子自体への包装はもちろん、周りのパッケージ、そして下に引いてあるトレーにまでプラスチックが使われているため、たった10個食べただけでこんなにも大量のゴミが出てしまいます。」

「過剰なお菓子の包装やトレーなどのプラスチックゴミを減らす取り組みや、プラスチックにかわる材料・デザインを考えていただきたいです。」

この署名活動には、約1万9000人が賛同。高校1年生はブルボンなど菓子メーカー2社に署名を提出していた。

7つの項目で丁寧に説明

これを受けて、ブルボンが7月29日に出したニュースリリースのタイトルは「プラスチック包装削減のご意見と署名の受領について」。

この中で、ブルボンは「プラスチックごみの削除の趣旨については、全くその通りであり、当社と方向性が一致する」としたうえで、すでに実施、もしくはこれから実施する予定の“プラスチック包装削減への取り組みについて、7つの項目で丁寧に説明している。

【1】
包装につきましては食品の保護や安全性の確保、トレーにつきましてはお菓子の特性に応じて商品の状態を保持するため、個包装につきましては少子高齢化社会や個食の時代的ニーズに合わせて外装を開封後の商品保存を可能とするためや、楽しくシェアしてご利用いただくときにも安心なアレルギー表示をお伝えするなどの目的で使用しています。

【2】
当社での包装資材の調達におきましては、SDGs(持続可能な開発目標)との関連を意識して、よりサスティナブルな調達活動となるよう、種々の評価項目のもと活動を展開しています。

特にプラスチック包装に関しては、商品の流通に必要な品質を確保しながらもコンパクトな包装となるようにサイズや材質を随時見直し、過剰包装とならないようできるだけ工夫をしています。

加えて、植物由来のプラスチックであるバイオマスプラスチックの活用や紙などへの代替素材に変更する取り組みも積極的に進めています。

【3】
バイオマスプラスチックの採用は、2009年に開始し、以降も継続して採用商品を増やしています。

すでに、「アルフォート」「レザンヌ」のトレーなどでバイオマスプラスチックの採用を行っています。

また、「ブランチュール」のプラスチックトレーでは、かねてよりバイオマスプラスチック10%使用のものを、25%使用したバイオマスマーク25を刻印したものに変更する計画をすでに進めており、「プチポテト」シリーズの外包装とともに2020年夏の生産より実施していきます。

ブランチュールの包装(提供:ブルボン)

【4】
プラスチック製のものを紙などに代替する活動につきましては、「アルフォートミニチョコレート」や「ブランチュールミニチョコレート」での紙トレー化をすでに行っているほか、「もちもちショコラ」シリーズに梱包していたプラスチック製のフォークを、紙製のピックへ2019年2月より変更しています。

「もちもちショコラ」シリーズのプラスチック製フォーク(提供:ブルボン)
「もちもちショコラ」シリーズの紙製ピック(提供:ブルボン)

【5】
包装の最小化として、使用するフィルムやトレーの厚みを薄くしプラスチック使用量を削減する取り組みでは、2019年11月にファミリーサイズ商品群の外装フィルムを約8%薄くし、年間で約27トンのプラスチック削減を行ったほか、「ブランチュール」のプラスチックトレーにおきましても、何回もの薄肉化活動を行い、現在では発売当初の厚みから35%以上の厚みを削減するとともに、上述の植物由来プラスチック25%配合を使用した改善を図っています。

【6】
関連して、長年培ってきた菓子製造技術の応用や発展により、ストローとしても使用できるトッピングクッキー「コロネクッキー」を開発し、2020年1月より販売を開始しました。

この商品を通じてプラスチック削減への新たな提案を行っています。

コロネクッキー(提供:ブルボン)

【7】
加えて、包装材料の印刷時の作業環境改善や大気中への揮発性有機化合物の排出削減など複合的な環境保全を目指して、水性インキによる印刷を1999年より採用し、2015年には一般社団法人健康ビジネス協議会の「水性印刷商品認証制度」による認証マークを商品パッケージに印刷しています。

現在では、水性インキ使用商品の比率は商品全体の約45%に拡大しています。
 

プラスチック包装の削減など環境に配慮したブルボンの取り組みについて書かれていたが、では、削減前と後を比べると、我々消費者が気づくような見た目に変化はあるのか?
そして、署名を受け取ったときに高校1年生とどんな話をしたのか?

ブルボンの担当者に話を聞いた。

削減前と後で“見た目”に変化は?

――「アルフォートミニチョコレート」と「ブランチュールミニチョコレート」の紙トレー化はいつから?

発売当初から紙トレーを使用しています。

――ファミリーサイズ商品群の外装フィルムを約8%薄くした。これは見た目で変化が分かるもの?

見た目に変化はありません。

――「ブランチュール」のプラスチックトレーは35%以上の厚みを削減。こちらは見た目で変化は分かる?

発売当初のトレーが現存しないため、見た目で変化が分かるかどうかはお答えできません。

ただ、厚みを削減しながらも、商品の耐久性やトレーの強度を維持するために、継続して改善を行っています。

――外装フィルムやプラスチックトレーはどのような方法で薄くする?

流通、輸送段階で商品の破損が無いことや、品質保持を確保できる仕様であるか、十分に検証、確認した上で包装資材を切り替えています。

高校1年生と話をしました

――高校1年生から署名を受け取ったとき、何か話はした?

署名をいただいた時に、包装の役割や今後の包装の考え方などについて、短時間ではありますが、話をしました。

――その説明に納得していた?

面会の機会へのお礼と、当社に対して、「これからもお菓子業界をリードする会社であり続けてください」「ブルボン商品の変化を楽しみにしながら、一消費者としてブルボンを応援し続けます」とのメッセージをもらいました。 
 

今回わかったのは、見た目ではなかなか気づかないようなところでプラスチック削減の努力をしていたこと。そして、高校1年生の訴えにも真摯に向き合った企業姿勢だ。

今後の取り組みについて、ブルボンは「商品を流通させるために、包装に求められる必要な要件を満たしながら、実施可能な新技術や工夫を取り入れ、継続した低減活動を行っていくことが、より一層求められていると感じています」としたうえで、「これからも継続して取り組んでまいります」としている。
 

【関連記事】
新開発の給食の牛乳パックはストロー不要!「ストローレス」でペットボトル50万本分“脱プラスチック”へ​
客と店員のどっちがエコバッグに商品を詰めるべき? コンビニ会計時のギモンを大手2社に聞いた