4月の家計調査が発表され、2人以上の世帯の実質消費支出が1世帯あたり31万3300円となり、14カ月ぶりに0.5%のプラスとなった。
なぜプラスになったのか、街の声と専門家の分析を聞く。
実質消費支出が14カ月ぶりのプラスに
総務省が7日、4月の家計調査を発表した。

2人以上の世帯が消費したお金は、1カ月で31万3300円だった。
このところ、ずっと減り続けてきたが、2023年2月以来、14カ月ぶりにプラスになった。
街行く皆さんに聞いてみた。

ーー最近、買い物の額増えてませんか?
80代:
節約してます。できるだけスーパーで安く買ってきます。
30代:
交通費も結構かかったりするので、毎日最低1時間ぐらいは歩いています。
財布のひもはそこまで緩んでいない様子だった。
それでは、何に支出を増やしているのだろうか?

衣料品や授業料などは増加
家計調査を見ていくと、消費した額が前の年に比べて11.3%増えたのが衣料品。

さらに大幅に増えたのが、授業料などのお金。
私立大学で32%、私立高校では81%の増加となった。
背景にあるのは、コロナのため前の年まで実施されていた授業料の軽減措置が終わったことだ。
やっぱり気になるのは、食費。

家計調査では、果物の消費額が前の年より12.8%減少。高値が続く野菜の支出も減った。
ーー最近買い控えちゃってますか?
やっぱりちょっと高いなと思うと、カゴには入れられなかったりしますよね。
一方で、外食の消費額は1.7%増加。わずかだが前の年より増えた。

ーーお食事中すみません。食費の使い方で変わったことってありますか?
1人暮らし新社会人:
自炊でお金を抑えてます。同期との飲み会みたいなところは、仕事始まって唯一の楽しみみたいなところはあるので、そこは絶対に。1回で3000〜4000円とか。
消費の二極化で支出増えた?
節約する一方で、使うときには使う。
街で聞くと、ある傾向が見えてきた。

生活経済ジャーナリスト・柏木理佳さんは「個人の消費において使う項目と使わない項目への二極化が顕著になってきていると思います。普段節約をしながら、ためたものを大きなイベントのときとか、タイミングがいいところで大きなものを消費するといった傾向も見られています」と分析する。
まさに“消費が二極化”しているという人が、具体的に何をしているのか教えてくれた。

新社会人:
コーヒーとか飲むのは好きなんですけど、外で買うと割と高いので、会社に行くときもなるべく水を持って行って買わないようにしています。
では使うときはどうなのか。
新社会人:
ゴールデンウィークは都内のちょっといいホテルに泊まるみたいな感じで行きました。1泊1人1万5000円くらいで。
見せてもらったのが、そのホテルで撮影したという写真。
ゴールデンウィークの旅行中、都内が一望できる部屋を予約したという。

また4月には、大学を卒業した記念に、1万円の指輪を奮発したという。
専門家は、データの裏にこんな傾向を読み解いているという。

生活経済ジャーナリスト・柏木理佳さん:
そもそも物価が上がっていますし、あらゆるものが値上がりしていますので、節約をしても全体的に支出が増えているという状態です。もう節約の限界があるということで、これからも消費支出というのは増えていくかなと思います。
その我慢が限界を迎えたことも、消費支出が増える一因になっているのかもしれない。
(「イット!」6月7日放送より)