いつもそばにいた、この人との別れが近づいている…その人の名は、野口英世。博士が生まれた福島県猪苗代町では、感謝を込めて「さよなら」を告げている。

英世が生まれた猪苗代町

福島県猪苗代町の野口英世記念館は、世界的な細菌学者として活躍した博士の足跡と功績を伝えている。静岡県から来た観光客は「千円札が一番親しんできたお札。博士の業績をさらに深く知れたので、改めてお札を見ます」と話す。

博士の功績と足跡を伝える 野口英世記念館(福島県猪苗代町)
博士の功績と足跡を伝える 野口英世記念館(福島県猪苗代町)
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野口博士が千円札の顔となったのは、2004年。当時は“そっくりさん”が紙幣の交換に訪れるなど、盛り上がりをみせた。

2004年 紙幣の交換に訪れた野口英世のそっくりさん
2004年 紙幣の交換に訪れた野口英世のそっくりさん

北里柴三郎は恩師だった!?

あれから20年…千円札の新たな顔になるのが、同じく細菌学者の北里柴三郎だ。
野口英世記念館では、野口英世と北里柴三郎の企画展が開かれている。この二人には一体どんな関係が?企画展を担当する学芸員の森田鉄平さんは、北里柴三郎は英世にとってまさに「恩師」だったと話す。

企画展「野口英世と恩師 北里柴三郎の絆」2025年3月16日まで
企画展「野口英世と恩師 北里柴三郎の絆」2025年3月16日まで

「北里柴三郎先生は、当時の伝染病研究所というところの所長をしていました。その時に野口英世も入所を許されて伝染病研究所に入ることになります。そのあとにも野口英世が海外に行く、そんなチャンスを北里柴三郎先生は何度も作ってくれました」と森田さんは解説する。

学芸員の森田鉄平さん
学芸員の森田鉄平さん

変わらず偉大な野口博士

弟子から恩師へ千円札の顔が変わったとしても、森田さんは野口博士の功績を変わらずに伝えていこうと考えている。
「野口博士の功績は大変大きなものがありますので、野口博士の功績を紹介できるように頑張って行きたいと思います」と話す。

千円札の顔は弟子から恩師へ(資料:企画展より)
千円札の顔は弟子から恩師へ(資料:企画展より)

記念館で野口博士は、子どもたちにこんな言葉を伝えている。
「Just do it!頑張れば夢は叶うだね!」

野口英世博士「Just do it」
野口英世博士「Just do it」

ゆかりの宿で驚きの企画

猪苗代町にある「レイクサイドホテルみなとや」は、野口英世が帰国した際、歓迎会が開かれたゆかりの宿だ。こちらで、千円にちなんだ企画が始まったという。

猪苗代湖畔にある「レイクサイドホテルみなとや」
猪苗代湖畔にある「レイクサイドホテルみなとや」

代表取締役の渡部英一さんが「発表になってから毎日のように電話がなりっぱなしで大変です。感謝の気持ちを込めて、特別サービスで」というのが…一室4人の利用で、1人税別1000円で宿泊できるキャンペーン。(※一日限定5組・素泊まり 税込み価格は1100円)本来であれば、1人あたりの宿泊料は税別で9000円だという。

※一日限定5組・素泊まり 税込み価格は1100円
※一日限定5組・素泊まり 税込み価格は1100円

実は20年前にも…

新紙幣が発行された2004年にも、同じキャンペーンを行い全国から反響があったという。あの時の感謝も込めながら、博士にはこれからも猪苗代町を盛り上げて欲しいと期待している。

レイクサイドホテルみなとや・代表取締役の渡部英一さん
レイクサイドホテルみなとや・代表取締役の渡部英一さん

渡部さんは「最後に20年間、千円札ご苦労様ということで企画しました。野口英世を忘れないでいてほしいという一つの思いがありますし、記念館も生家もありますので引き続きこちらにお越しいただければなと思っています」と話した。

このキャンペーンは7月8日まで日・月・木・金に利用できる。すでに80組以上の予約がはいっているそうで、金曜日はすでにほぼ満室の状態だが、ほかの曜日はまだ空室があるそう。(2024年6月6日時点)

(福島テレビ)

福島テレビ
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