2024年4月の九州への外国人入国者の数は、前年の同じ時期に比べ約6割増しの36万6000人余り、7カ月連続で30万人を超えた。そんな中、福岡では地元の人にも余り知られていない穴場スポットが生まれている。
名前さまざま…八坂神社の“招き猫”たち
「江戸時代の雰囲気を楽しむことができる」と外国人観光客に人気の小倉城(北九州市小倉北区)。城内の一角に400年という長い歴史を持つ八坂神社がある。
この記事の画像(18枚)八坂神社は無形文化財「小倉祇園太鼓」の“発祥の地”とされていて、地域の人々から「小倉の祇園さん」と呼ばれ親しまれている。
そんな憩いの場で、いま外国人観光客からひそかな人気を集めているのが…。
「台湾から来ました。すごくかわいい。2匹?3匹か4匹以上いるのかな…」と観光客も思わずほっこりする猫たち。不妊や去勢手術を受けている飼い主のいない猫「地域猫」だ。
八坂神社・林圭太郎さん:
いるのは4匹だね。シャムみたいなのと茶色が2匹と、ちょっとシロのブチ。みんな好き勝手に名前を付けよる
いつの間にか神社に住み着いた4匹の猫。名前が決まっていないため、観光客や地域の人が好きなように名前をつけてかわいがっている。
ドイツ人観光客:
ぼくの娘の名前さ。マヤだね。マヤ~
ドイツ人観光客が名付けた「マヤ」。この神社で最古参、茶色い毛と曲がった口が特徴だ。持ち前の鋭い眼光で、常に人とは一定の距離を保ちながら境内をパトロールしている。
近くに住む人:
この子ほかの猫からいじめられてるんですよ。はなびっていうんですよ
近隣住民が命名した「はなび」は、美しい青い目をしていて、見た目はシャム猫のようなメス。ほかの猫に比べておとなしく、普段は暗闇に潜んでいるが、ひとたび心を許すとすり寄ってくる。
台湾人観光客:
ひかる!心に神の精神が宿っているのかなと思って
台湾人観光客が命名した「ひかる」。八坂神社では新入りで、茶色と白の模様が特徴だ。体格は少し小さめだが、参拝中に社殿を横切るなど大胆な性格で、いま境内での縄張りを絶賛拡大中。最古参のマヤを脅かす存在だ。
そして、訪れる人の心を最もわしづかみにしているのが…。
向かいの写真屋さん:
神(シン)ちゃん、神様
境内の写真屋さんが命名した「神(シン)ちゃん」。その見た目から、最古参のマヤの子どもではないかと言われている神ちゃん。人なつっこいのか人に興味がないのか…、どれだけ撫でられても社務所の前で堂々と寝続け、誰に対しても裏表がない「神対応」が人気だ。
八坂神社・林圭太郎さん:
猫たちは、その世界では有名じゃないですか。猫を目当てで来てる人も大分いるみたいなんで。ずっと抱っこして1時間ぐらい座ってる猫好きの方って多いんですよね。みなさんの気持ちが休まるならいいと思ってます
人々に見守られ、神社に人を招き入れている4匹の猫たち。新たな“観光資源”として街に貢献している、かもしれない。
(テレビ西日本)