■子どもたち約100万人を無料招待
この記事の画像(6枚)大阪・関西万博で子どもたちを無料で招待する事業をめぐり、大阪府交野市の小中学校すべてが現時点で参加の意向を示していないことが明らかになった。
来年開催される大阪・関西万博で、大阪府の吉村洋文知事は、府内の4歳から高校生までの児童や生徒およそ100万人を万博の会場に無料で招待する計画を打ち出している。
■会場までの交通手段などが不透明
これを受け大阪府教育庁は、府内の学校に対して「遠足」などの形で来場を希望するかをアンケート形式で今月末までに回答を求めている。
しかし、この事業をめぐっては会場へのアクセスの仕方や昼食を食べる場所の有無などあいまいな点が多く、不安の声が上がっている。
■「大阪府が用意するバスは到底利用できない」と交野市長
そんな中、交野市は24日市内の小中学校・13校すべてが現時点で、府の無料招待事業を利用して万博の会場を訪れる意向がないことを明らかにした。
その理由について交野市の山本景市長は「交通手段に関して、大阪府のバスは(4月~6月は1日あたり)10台しかない。到底利用できない。自分たちでバスを確保しても1台で15万円、1人であれば5000円、とても校外学習で払える額ではない」と話したうえで、「電車に関しても地下鉄中央線を利用しなくてはいけなくて、引率教員の負担や、何より小学生の安全の確保はむずかしいのでは」と語った。
■「行きたい子どもが家族と来場する制度」交野市長が提案
このほかにも山本市長は、学年の変わり目の4月や、暑い時期を各学校が避けた場合、5と6月に学校の来場者が集中する点や、万博の建設現場でメタンガスの爆発事故が起きたことなどを理由に挙げており「学校単位ではなく、行きたい子どもが家族と来場する制度を構築する方がいいのではないか」と提案している。
■「来場を希望していないわけではない。情報が少なすぎる」と小学校関係者
また、市内の小学校の関係者は関西テレビの取材に対し、「来場を希望していないわけではなく、検討中ということ。情報が少なすぎることもあり、今の段階では参加に踏み出せない」と話している。
■「家庭環境にとらわれることなく万博に来場できる機会提供」と教育長
大阪府の水野達朗教育長は「家庭環境にとらわれることなく、多くの子どもたちが万博に来場できる機会を提供するために、学校単位での参加を呼びかけてきましたが、強制ではなく、各学校の校長の判断に委ねています。関係機関から情報を得ながら、皆さんの懸念が解消されるように丁寧に説明をしていきたい」と話した。
■京都府は入場料負担の方針を示すも、教職員組合から安全確保が出来るまで凍結依頼
万博の学校行事をめぐる問題は、京都府でも・・・
京都府は、小学校から高校までの児童生徒を対象に、入場料を負担する方針を示している。
しかし、京都教職員組合などは、5月24日、万博の会場の安全確認ができるまでは、招待事業をやめるよう、教育委員会などに要望書を提出した。
要望書では、ことし3月に万博の会場建設工事で起きた爆発事故や、行程を組む上で不明な点が多いことなどが指摘された。
京都教職員組合・中野宏之執行委員長:
安全確保をしっかりできると。京都としてしっかり確認をして、情報提供してほしい。それがはっきりするまでは、この事業を押し進めていくのではなく、凍結してもらいたい
京都府は「要望書をしっかり読んで対応したい」としている