依頼があれば24時間、どこにでも出張するスマートフォンの修理人。修理場所は、なんと車の中。狭い空間で見事に修理を完了させる。

今や生活に欠かせないスマートフォン。そんなスマートフォンが壊れた時のまさに救世主!次々と依頼が舞い込むスマホ出張修理の現場をツイセキ。

■スマホのデータを初期化せずに修理の依頼

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「GO REPAIR(ゴーリペア)」の岡本大輝さん(25)。

岡本さん:もしもしゴーリペアの岡本です。マンションの横のコインパーキングに車を止めさせていて。そちらまでお願いできますでしょうか。

出張修理の依頼は、「中学3年の娘のスマートフォンの画面が真っ暗になってしまった」そう。依頼のスマートフォン(GalaxyA53)を一目見て、岡本さんはすぐに小さなきずを見つけた。

岡本さん:ここが、若干割れてますね。

ほんの小さなきずでも画面交換が必要だ。

移動してきた車の後部座席を作業場所にして、早速作業に取り掛かる。

割れた画面を取り外すと内部は基盤だらけ。傷つけないよう慎重に…作業を進めていく。

小さなビスもすべて再利用するので、失くさないように1つ1つ丁寧に取り扱う。

(Q.依頼の理由は?)
依頼人:データのバックアップを取っていないから、子供の大事な連絡先とかが、全部、メーカー修理に出すと初期設定されてなくなるので。

ゴーリペアのような修理ショップは、純正ではない部品を使うものの、すぐに作業してくれる上に、データを残せることが多く、依頼する人が増えている。

(Q.なぜ依頼?)
依頼人:(娘が)空手をやっているから、試合の集合時間・場所(の連絡)がLINEで来るので。試合行って、終わって帰りが遅いと、『もう終わってんちゃうの?』みたいな。連絡とられへんとやっぱり…。いま要るね…。

1時間ほどで作業は終了し、出張代込みで3万円だった。

依頼人:便利ですけど、使いたくないわね。親としては金額を考えたら…『大事にして』って感じ。ちょっと雑やから、扱いが。

■依頼人のうっかりにも動じず修理 「いっぱい思い出を残せて、料金は割高でもプライスレス」

スマホ修理の依頼は24時間問わず受け付けていて、出張エリアも関西一円と広範囲。

この日、午後8時半ごろ、夜勤の修理スタッフの田邊邦男さん(48)が、依頼を受けて向かったのは大阪府枚方市。

住宅街にあるスナックのママの、スマートフォンのSOSだ。

画面に触れていないのに、勝手に反応してしまう、ゴーストタッチと言われる現象で、画面交換が必要だ。

夜はスナックの営業、次の日も朝から大事な予定があるため、何としても夜のうちにスマートフォン(iPhone10)を修理したかったという。

依頼人:きょう釣り行っててね、船の上で携帯(スマートフォン)を落として。波が高くて踏んじゃったんですよ。それで割れたんですよ。
田邊さん:かなりビスがさびてますね。
依頼人:潮風にやられてる…。

聞けばこのスマートフォンの購入は7年も前。

依頼人:もう変えないといけなの分かってるんですけど、機種交換めんどくさくて。ついつい長いこと持ってしまうんですよ。

新しい画面の動作確認も終わり、ビスをはめて取り付けようとしていた矢先―
田邊さん:これiPhone10じゃねえな、10Sやな。

なんと依頼を受けたときに聞いた機種と違うことが判明。iPhone 10と10Sはビスの取り付け位置が異なるのだ。

依頼人:どうしよう!ごめんなさい!iPhone 10とばっかり思ってたんですけど、私の電話はiPhone 10と違うんですか?
田邊さん:iPhone 10Sですね。液晶はつくんですけど、画面ははまらないんです。
依頼人:iPhone 10とばかり思ってました。そんな『S』とか『R』があるなんて…。

依頼人のうっかりにも動じず。iPhone10S用の画面もストックがあったため、無事、作業は30分ほどで終了し、費用は26400円だった。

ところで、未明までスナックを営業したあとの、大事な予定というのは…?

依頼人:朝7時からです。子供たちと一緒にキャンプに行くので、(写真を)いっぱい撮って、いっぱい思い出を残そうと思います。お値段は割高なのかな、料金表を見たんですけど、それでも来ていただけることを思うと、全然プライスレスかなと思って。

翌日、淡路島でキャンプをしたときの写真が、ママから届いた。

■スマホ普及率は全世帯の約9割 ないと生活が立ち行かなくなる人も…

午後10時半ごろ。次に、奈良県香芝市で待っていたのは21歳の大学生。

画面割れにより、タッチしても反応しなくて困っていたが、車の中であっという間に、画面交換の修理が完了した。

大学生のもとに、7時間ぶりにスマートフォンが返ってきた。

依頼者:だいぶ(LINEが)たまってました、2000件ぐらい。(スマートフォンは)絶対、必需品で要りますね。欠かせない存在です。

今や、スマートフォン普及率は全世帯の約9割となっていて、スマートフォンがないと生活が立ち行かなくなる人も多く、たとえ料金は高くなっても、「今すぐに修理してほしい」という人は増えている。

3件目の依頼の電話だ。場所は大阪市内。

依頼者?:本体の反応は…ない。画面真っ暗。
田邊さん:通知の音は鳴っていますか?
依頼者?:ちょっと電話、替わりますね、本人に。

知人らしき女性の携帯を使った、男性からの電話だ。

目的地を確認すると…

田邊さん:場所は何区になりますか?
依頼者:○○ビル、○○ビル5階。
田邊さん:お客さま、すみません。何区になりますかね?
依頼者:何区?

やや、怪しげな依頼だ。

依頼者のいる、大阪・ミナミの飲み屋街に到着したのは、深夜1時ごろ。キャバクラでボーイをしているという男性だった。

依頼者:雨の日に友達とじゃれあって遊んでた時に、ふと、僕が驚いて落としてしまったんですよ。黒服の仕事をしてるんですけど、やっぱりお客さんと連絡取るとか、従業員の子と連絡取るのに、絶対(スマートフォンが)必要なので、とにかくパニックですね。

営業のためにすぐに修理してほしいとのこと。見せてもらうと、液晶がだだ漏れで、画面は使い物にならなくなっていた。

15分たらずで修理は完了し、料金は20900円(出張・時間帯料金込み)だった。

翌日、話を聞きに行くと、男性は無事、その日の営業を乗り切ることができたそう。

依頼者:3時間半ぐらいは見れなかったので。連絡がすぐつく人とすぐつかない人ってやっぱり、仕事できるか、できひんかって判断する人もいると思うので。そこはやっぱり鬼の即レスでやっていきたい。

もしもの時に頼りになる存在、スマホ出張修理人のもとにはさまざまな依頼が届いていた。

(関西テレビ「newsランナー」2024年5月23日放送)

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