「紀州のドンファン」と呼ばれた和歌山県の資産家の男性が殺害された事件で、元妻が逮捕されてから3年が経った。

須藤被告
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その元妻が事件前に別の男性から金をだまし取った詐欺罪での裁判で17日被害男性が証言台に立った。

【動画で見る】「紀州のドンファン」元妻が「別の男性」から「3000万円」をだまし取った詐欺事件の裁判「私の体をもてあそぶために払った金」と否認

■現金2980万円をだまし取った罪「清楚で純粋な女性だと思っていた」と男性

須藤被告
須藤被告

須藤早貴被告(28)は2015年から翌年にかけ、当時61歳の男性から海外留学費用などと「うそ」をついて、現金あわせておよそ2980万円をだまし取った罪に問われている。

「私の体をもてあそぶために払った」
「私の体をもてあそぶために払った」

初公判で須藤被告は起訴内容について、「私が金を受け取ったことは事実。うそもつきましたが、それを分かった上で彼は私の体をもてあそぶために払ったと思っています」と話し、詐欺罪は成立しないと主張していた。

17日は証人尋問が行われ、当時61歳だった男性が証言台に立ち、以下の趣旨の証言をした。

被害男性:
須藤被告とはキャバクラで知り合った。美容学校の学費のためにキャバクラで働いていると聞いていた。須藤被告は親は病院関係で働いていて、被告の美容師になりたいという夢に反対していて『学費を出してくれない』と話していた

被害男性:
18歳と知って、未成年がキャバクラで働いていてはいけないと思い『キャバクラを辞めなさい』と言った。『学費を出してやる』と言って月15万円を被告に支払うようになった」 「その後『美容学校で使う機械を壊したので、弁償に300万円かかる。親は出してくれない。頼れるのは(被害者の呼び名)だけ』と言われて、被告の口座に金を振り込んだ

被害男性:
 さらにその後『美容関係のコンクールで知り合った美容室経営の社長から海外留学の話をされたので、留学したいがその費用1500万円を親が出してくれない』と被告から言われ『最初は考えさせてくれ』と言った。その後『留学する締め切りが迫っている』と連絡があって『さきの夢を応援してあげるよ』と返信し、投資信託を解約して金を用意して振り込んだ

「清楚で純粋な女性だと思っていた」
「清楚で純粋な女性だと思っていた」

また、検察側から被告の印象について聞かれると男性は「清楚で純粋な女性だと思っていた」と答え、警察から被告が留学に行っていなかった旨を聞かされた際には「もう絶句で声も出ませんでした」と話した。

そして男性は、被告に対して「厳しい処罰を求めます」と訴えた。

須藤被告は上下黒の服装でマスクをして、伏し目がちに男性のほうを向いて話を聞き、時折髪をかき上げる様子も見られた。

■事件の2年後 資産家の夫を殺害した罪で起訴

須藤被告はこの事件の2年後に和歌山県田辺市の自宅で夫だった資産家の野崎幸助さん(当時77)に覚醒剤を摂取させて、殺害した殺人などの罪でも起訴されているが、裁判の見通しは立っていない。

「紀州のドン・ファン」と呼ばれた野崎さんは2018年に55歳年下の須藤被告と結婚、金融業などを営み、総資産は50億円とも言われていた。

須藤被告は野崎さんとは別の男性から金をだまし取った詐欺事件の当時19歳だったが、社会的関心の高い殺人事件の被告人として、すでに実名報道されていることなどから、実名で報道する。

関西テレビ
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