自転車の違反に反則金を課す「青切符」を導入することなどが柱の改正道路交通法が17日の参院本会議で可決・成立した。「青切符」は2年以内に施行され、スマートフォンなどを使用する「ながら運転」などが反則金の対象となる。
取り締まりの対象は16歳以上で、信号無視、一時不停止、徐行せずに歩道を通行することや右側通行など112の違反が含まれ青切符の反則金は5000円から1万2000円程度の見通し。
これまで自転車違反の多くは、交通ルールについて注意される「警告」にとどまり、事故につながる危険な運転や警告に従わない場合は刑事処分が問われる「赤切符」の対象だった。警察庁によると「赤切符」の検挙は、2022年の1年間で2万4549件にのぼり、この10年間で3倍以上になった。
全国の交通事故が減る一方で、自転車の事故は2年連続で増加、歩行者との事故も増えている。死亡や重傷事故の7割以上で自転車側に信号無視、一時不停止などの違反があった。
こうした実態を背景に導入される「青切符」では、自転車にも自動車や電動キックボードのように反則金の支払いが求められる。
一方、携帯電話の使用で事故に繋がるような危険な運転は、酒酔い運転や酒気帯び運転と同じ「赤切符」が適用される。
また、車道を走る自転車を保護する目的で、自動車が追い抜く際に十分な間隔がない場合には、自動車には安全な速度で走行すること、自転車にはできる限り左端に寄ることを義務づける自転車との間隔に「思いやり」規制も盛り込まれる。
この「思いやり」規制に違反すると自動車側には、「3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金」、自転車側には「5万円以下の罰金」の罰則が設けられる。