世界遺産・屋久島の北西に浮かぶ口永良部島に4月30日、初めての水産加工場がオープンした。地域おこし協力隊として活動する東京出身の男性がクラウドファンディングで資金を集め開店にこぎつけた加工場は、早くも島民に愛されている。

東京出身の男性が水産加工場を建築

鹿児島県の口永良部島に初めて誕生した水産加工場「港のとと屋」。東京出身で、2020年から地元・屋久島町の地域おこし協力隊員として口永良部島で活動している池添慧さんがオープンさせた。

「港のとと屋」をオープンした池添慧さん
「港のとと屋」をオープンした池添慧さん
この記事の画像(11枚)

これまで水産加工場がなかった口永良部島。
水産物の出荷に時間や経費がかかるのがネックとなっていたが、加工品にすることで長期保存ができるようになり、販路の拡大も期待される。

普段、素潜り漁をしている池添さんは、クラウドファンディングで資金を集め、自力で加工場を建築した。

「まずは島の中で」いずれは島の外にも

開店日の4月30日、池添さんが前の日にとってきたばかりの魚をさばいていく。「クロ」と呼ばれるメジナや、真っ青な体色がいかにも南の海を感じさせるブダイなど、年間を通してとれる海の幸だ。

民宿を経営する女性が早速買い物に
民宿を経営する女性が早速買い物に

さっそく朝から魚を買いに来たのは、民宿を経営しているという女性。「こういう店がないと成り立たない。お魚が必要だからすごくうれしい」と笑顔で語った。

かつては大漁にとれたイセエビを鹿児島市内で水揚げし、一日で大金を稼ぐ漁業者もいたというが、近年は漁獲量が減少している。

池添さんは「まだ何を売るかはっきりしていない」としながらも、「島の魚をまずは島の中で食べてもらえるようにしたい。口永良部島の魚を水産加工品として島の外にも発信していきたい」と、目を輝かせた。

夏になるとカンパチやイカがとれるようになるという。「港のとと屋」では地元産の鮮魚の販売を中心に、水産加工品の製造・販売、そして弁当の販売も予定している。

豊かな海に囲まれた小さな水産加工場の今後に注目だ。

(鹿児島テレビ)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(11枚)
鹿児島テレビ
鹿児島テレビ

鹿児島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。