ゴールデンウィーク真っ只中。明日から4連休の今、お出かけの準備をしている人もいるかもしれない。しかし、旅行や帰省で数日間も留守にすることに不安に感じることもあるだろう。

そんな時に参考にしてほしいのがセコム株式会社が考案した標語「走るカレー」。自宅を長期間不在にするときの防犯対策をまとめたフレーズだ。

「は・し・る・か・れ・え」とは?

「走るカレー」は以下6つのチェックポイントの頭文字。セコムIS研究所の研究員・濱田宏彰さんがリリースで紹介する解説とともに確認していきたい。

提供:セコム株式会社
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「は」いたつぶつ(配達物)を止めておく

ポストに新聞や郵便物などの配達物がたまっていると不在だとわかってしまうため、新聞は配達を止め、郵便物は不在留め置きの手続きを取ると良い。

「し」ょうめい(照明)のタイマー設定で在宅を装う

夜間はタイマーなどで照明をつけて在宅を装ったり、門扉を常夜灯にすることも人の気配を感じさせることができるので効果的だ。

「る」すばんでんわ(留守番電話)の応答は「在宅中」。またはスマホ転送

固定電話にかけ、留守かどうかを確認する空き巣もいる。留守番電話の応答メッセージは「○日まで留守にします」ではなく「ただいま手が離せません」などの内容にするか、自身のスマホに転送する設定にするのが良い。

「か」ぎ(鍵)をきちんと掛ける。1ドア2ロック/窓にも補助錠を

1ドア2ロックにすることで侵入に時間がかかり、犯行をあきらめさせることにつながる。窓は上部に補助錠を。防犯ガラス・防犯フィルムにしておけば安心だ。

「れ」んらく(連絡)を親しい隣近所、近くの親族などに

非常事態が起きた時に対応が後手に回ってしまう可能性もあるので、親しい隣近所、近くに住んでいる親族などに、不在期間や自身の連絡先を事前に連絡しておくのが良い。

「え」すえぬえす(SNS)はすべて事後投稿

空き巣狙いがターゲットを求めてSNSを検索するケースもある。旅行先からリアルタイムで投稿をするのは不在を悟られるため、帰宅してから投稿しよう。

不在時はSNSの投稿にも要注意

「配達物は止める」という基本から「SNSは事後投稿」という今どきの内容まで揃っているが、特に気をつけたいのはどんなことだろうか。空き巣に狙われやすい家の特徴も含め、濱田さんにさらに詳しく聞いた。

――なぜ“防犯フレーズ”という形で周知することにした?

とにかく対策を覚えていただきたいので、各対策の頭文字を取って覚えやすいフレーズにしました。さらにビジュアル(視覚)からも記憶に残るようにとイラストを制作しました。


――「走るカレー」はどれも重要だと思うが、特にどれが大切?

住宅への侵入手段で最も多いのが、無施錠箇所からの侵入です。警察庁のデータによると、令和4年(2022年)も侵入手段としては、無締まりが約半数を占めていることもあり、普段から気を付けていただきたいと思います。

画像はイメージ
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――空き巣はSNSのどんな投稿をチェックしているの?

SNSの投稿で自宅にいるかどうかを確認している空き巣もいます。旅行先からリアルタイムでSNSに投稿してしまうと、自宅に誰もいないことを公言しているようなものなので、ぜひ避けていただければと思います。

空き巣に狙われないために

――大型連休の時期は空き巣の被害が増える?

統計数字には出てきていませんが、GWや夏休み、年末年始などは旅行や帰省などで自宅を長期不在にする方が多いので、被害に遭う可能性が高くなると考えられます。

画像はイメージ
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――空き巣に狙われやすい家の特徴は?

「防犯環境設計」という考え方があり、直接的な手法として「対象物の強化」と「接近の制御」、間接的な手法として「監視性の確保」、「領域性の確保」を組み合わせることを重要としています。

「対象物の強化」:対象物を物理的に強化→(例)補助錠の設置、防犯フィルムの設置
「接近の制御」:境界を作って人が容易に敷地や建物に接近することを防ぐ
 →(例)足場となるようなものの撤去、門扉・フェンスの設置
「監視性の確保」:街路や窓からの見通しを確保し、人の目が周囲に行き届くような環境をつくる
→(例)見通しの確保、防犯カメラの設置
「領域性の確保」:住宅やその周辺の維持管理状況を改善したり、住民相互の活動や交流を促して部外者が侵入しにくい雰囲気を地域で形成する
→(例)私有地の協会、挨拶、落書き・ゴミの即時撤去

逆に言えば、これらが確保できていない家は狙われやすいと言えます(フェンスもなく、見通しも悪く、ゴミも残っているような家など)。

画像はイメージ
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連休に外出を予定している人は、この「走るカレー」をチェックして対応すると良いだろう。
その上でゴールデンウィークを楽しんでほしい。

プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。