大分空港で宇宙港計画を進めていた企業が経営破綻して1年となる。こうした中で今年4月、大分県国東市の高校には、宇宙について学ぶコースが新設された。
大分が宇宙の玄関口となる日は来るのか、現状を取材した。

「宇宙港」に期待が高まるなか、突然の経営破綻…

大分空港を人工衛星の拠点とする宇宙港計画は、2020年に浮上し一気に期待が高まった。
街中では「宇宙港クイズ」と銘打ったイベントが行われ盛り上がったり、「自分は宇宙人」と申告すれば、宿泊代の割り引きなどが受けられるサービスなども登場。しかし去年4月、計画を進めていた、アメリカのヴァージン・オービット社が経営破綻。計画は大きな打撃を受けた。

宇宙港計画の舞台となっている大分空港
宇宙港計画の舞台となっている大分空港
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県はシエラ・スペース社の動向に注目

「ヴァージン・オービットの件は非常に残念ではあったが、大分空港できちんと出来るような形に準備を進めていかないといけない」
こう話すのは、宇宙港計画を担う大分県先端技術挑戦課の加来隆幸課長。

現在は、シエラ・スペース社が、宇宙ステーションに物資を運ぶ着陸拠点として、大分空港を活用しようと準備を進めている。シエラ・スペース社は今年中に、アメリカで打ち上げを予定していることから、大分県はその結果を注視している。

計画を担う県先端技術挑戦課 加来隆幸課長
計画を担う県先端技術挑戦課 加来隆幸課長

また大分県先端技術挑戦課 加来隆幸課長は
「実際にシエラ・スペース社の宇宙船が活躍出来ることが分かった時には、次は大分県、アジアでは大分県と言ってくれているので、着陸をしてもらうべく 、ビジネス、経済循環が生まれるような、そういった姿にしていきたい」と話す。

地元では宇宙を学ぶSPACEコース誕生

こうした中、大分県国東市の国東高校は”日本で最も宇宙に近い高校”を掲げ、今年度から宇宙について学ぶSPACEコースを設置。2年生から宇宙工学などを学ぶ授業が行われる予定で、県外から3人が入学。その1人、沖山芯太さんは東京出身。

東京から入学した沖山芯太さんは「ロケットのエンジニアになりたいと思っている。自分の今の目標として、日本で有人ロケットを作るっていう夢がある」とSPACEコースに胸を膨らませている。

東京から入学した沖山芯太さん
東京から入学した沖山芯太さん

国東から宇宙へ…地元の人も「宇宙港関連の建物もどんどん建って元気のいい街になるといい」話し計画実現に期待を寄せている。
大分は宇宙の玄関口となれるのか。まずは、ことし行われる予定のシエラ・スペース社の打ち上げが注目される。

地元は宇宙港計画実現に期待

(テレビ大分)

テレビ大分
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