熊本地震から8年が経過した。熊本地震による2回の「最大震度7」は、4月14日午後9時26分の前震と4月16日午前1時25分の本震、いずれも「夜」に襲ってきた。前震の時は風呂に入っていた人が多く、本震の時は寝ている人が多かった。無防備なところを襲われると人は何もできない。防災コンサルタントが“備えない防災”を提案する

無防備な時には“何もできない”

宮崎市の防災コンサルタント、黒木淳子さんは、阪神淡路大震災での経験を踏まえ、こう話す。

防災コンサルタント 黒木淳子さん:
私は阪神淡路大震災を経験した。経験したからこそ言えることは、“何もできない”ということ。私たちはいざという時、無防備な時には“何もできない”ということをまずは知っておくことが一番大事。

4月には宮崎でも地震があった。震度5弱を記録した日南市では地震への備えを見直す住民も多かったようだ。日南市のホームセンター、ナフコ日南店では、地震の翌日に急きょ、防災グッズコーナーを設置した。

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ホームプラザナフコ日南店 平川雅人店長代理:
水タンク、ランタン、懐中電灯などがよく売れている。防災グッズ13点セットの商品もある。それをひとつ買っていただければ、大きな問題は少なくなる。

すぐに持ち出せる非常用の袋には、衣類や充電器、モバイルバッテリー、非常食などに加え、助けを呼ぶための防犯ブザーや、夜間の明かりを確保するためのヘッドライトなども準備しておくと良い。

この他に、黒木さんが勧める、準備しておくと良いものは?

防災コンサルタント 黒木淳子さん:
自身が助けてもらいたいときには、“助けてください!”と示す道具が必要。防犯ブザーや災害用の笛などがあるが、非常袋に入れるのではなく身に着けておくことが重要。私はスマートフォンのストラップ代わりに笛をつけている。この笛は、一度吹くだけで聞こえやすい2種類の周波数が一度に聞こえてくる優れもの。

「防災で気をつけていることは?」

・宮崎市60代女性 みーにゃん
1週間は自力で乗り切れるように、食料、水の備蓄簡易トイレ、懐中電灯、ガスコンロなどの準備はしています。

・宮崎市60代女性 ユキちゃん
家具が倒れないようにしています。また風呂の水は貯めています。家族で避難所の確認をしました。

・延岡市30代男性 シュンシュン
玄関に防災バッグを家族の人数分置いて、半年に一度中身の食料などを入れ替えて対策しています。

“備えない”防災グッズとは

もちろん基本的な防災グッズなどの“備え”は大事だが、黒木さんは、“備えない”防災グッズを勧める。“備えない”防災グッズとは、有事の際に活用できる日用品のこと。

耐熱用ビニール袋」で親子丼、パスタを作る

(材料)
・焼き鳥の缶詰、卵、米、耐熱用ビニール袋
(作り方)
・焼き鳥の缶詰、卵をビニール袋に入れ、卵がつぶれるようになじませる
・沸騰したお湯で約10分加熱
・ビニール袋に米と水を1:1の分量で入れ袋を真空にして上の方で結ぶ
・沸騰したお湯で約30分加熱

ペット用トイレシートで簡易トイレを
・45リットルのごみ袋に水を3分の1入れ、口を縛る
・下水からの逆流を防ぐため水たまりに栓をする
・ビニール袋をかける→ペット用トイレシート(or猫砂or新聞紙)をかける
・終わったらごみ袋の口を縛って捨てる

防災コンサルタント 黒木淳子さん:
来るか来ないかわからないものに備えるのは勇気がいるが、本当に地震が来た時に“備えておいてよかった”と必ず思える。いま家の中にあるものを工夫しながら楽しんで防災に取り組んでほしい。

黒木淳子
大阪府出身。1995年に阪神淡路大震災を経験。2001年、趣味のサーフィンに魅せられ宮崎市に移住。2011年の東日本大震災をきっかけに防災について学び、2016年、防災コンサルタントMamoruwaを起業。

(テレビ宮崎)

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