11月11日は厚生労働省が定める「介護の日」
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高齢化によって介護を必要とする人の数は年々増加している一方、介護の現場は人材が不足し、将来的には約65万人が不足してしまうというデータもある。
そうした中、施設側や病院側が力を入れているのが「外国人材の受け入れ」で、労働力確保に向け取り組みが進んでいる。
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日南市の谷口病院で介護業務を担うケアワーカー ラマ クマリさん(ネパール出身)今年の4月からこの病院に勤務し、認知症病棟で入院患者の介護を担当している。
食事や入浴・排せつ介助といった身体介護の他、衣類・ベッドメイキング・事務作業など、日本人と同じ業務を日々こなす。
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この病院では現在16人の日本人ケアワーカーに加え、ネパールやミャンマー・ベトナムから来た10人の外国人が介護の現場を支えている。
病院ではこれまで、介護職員の人手不足が続いてきた。
求人を出しても応募が集まらず、職員の高齢化も進み身体的にも精神的にも負担が大きくなるなかで、2年前から外国人労働者の受け入れを開始。
現在は適切な人数で安定した介護を届けることができている。
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専門的な知識や技術に加えコミュニケーション能力も問われる介護の現場で、ラマさんは未経験ながら半年で全ての業務をマスターし、職員・患者から高い信頼を得ている。
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「日南市の風景はネパールと似ていて寂しくない」と明るく話すラマさん。
「病院のスタッフはみんな優しくて、いつも知らないことを色々と教えてくれて、買い物にも連れて行ってくれる」と話す。
谷口病院が外国人労働者に選ばれる理由
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この病院では、日本語学校を運営する宮崎市の宮崎総合学院と連携し、外国人就労希望者の奨学金制度を導入している。
まず学校が労働意欲のある外国人材を各国から募集し、集まった志望者を病院に紹介。
病院は志望者との面接後、採用者を決定する。
採用された外国人は来日後1年間日本語学校に籍を置き、語学や介護の基礎を学んだ後に病院へ就職する。
学費は病院側が負担し、3年間継続して勤務すれば返還が免除されるという仕組みだ。
全国的にも珍しいこの奨学金制度を利用することで、ラマさんは日本で働く夢を叶えた。
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ラマさんは「谷口病院があるから私はここにいます。それはいつも心から感謝している」と話す。
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谷口病院の川野翔太副看護部長は奨学金制度の導入メリットについて「病院側としては労働力を確保できる。また、日本で働きたくても金銭面でなかなか機会がない外国人にもチャンスとなっているので両者にメリットがある」と話す。
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谷口病院では来年度新たに20人の外国人をケアワーカーとして採用する予定で、その全員が奨学金制度を活用し、現在宮崎市で語学の勉強に励んでいる。
介護現場の貴重な労働力となった外国人ケアワーカー。
優秀な人材がより長く働ける環境の整備が、地方の介護崩壊を防ぐ大きな鍵となっている。
介護崩壊を防ぐ大きな鍵 「特定技能」で外国人ケアワーカー受け入れへ
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外国人が日本で働く際の労働ビザにはいくつかの種類があり、今回取材したラマさんは「特定技能1号」の在留資格を持つ。
待遇や給与面は日本人と同じだが、在留期間が最長で5年間という決まりがある。
谷口病院では来年秋に外国人専用の寮を建設し、今後2年間で外国人ケアワーカーを40人程度に増やす予定だ。
日本の厳しい介護現場を守るため、受け入れる側の環境整備や魅力づくりも急務となっている。
(テレビ宮崎)