タクシー不足を解消する目的の「日本版ライドシェア」が東京で始まった。今後、5月にかけては、新たな地域でのスタートが予定されているが、どこまで需要があるかは、始めてみないとわからない部分も多い。広島での動きを取材した。

タクシー会社が一般ドライバーを管理

タクシー不足解消の「日本版ライドシェア」は4月8日から東京で始まり、4月中に神奈川、愛知、京都でも始まる予定。

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今回始まったのは、タクシー会社の管理下で一般ドライバーが自家用車で有償の運送サービスを提供するもので、地域ごとにタクシーが不足する時期や時間帯で「公共の福祉のためにやむを得ない場合」に許可される。

ドライバーは2年間「無事故」かつ免許停止処分を受けていない人で、事前に利用者の承諾を得て目的地まで運転する。

各地域、許可された曜日、時間帯で、タクシー配車アプリからの手配に一般ドライバーの自家用車が混じる形になる。料金はタクシーと同じ基準で、アプリが経路、距離を算出し、乗る前に決まるシステムで、原則キャッシュレス決済のみ。

加藤雅也アナウンサー:
広島でも日本版ライドシェアが順次導入されていくことになります。広島市のタクシー会社では日本版ライドシェアをどう見ているんでしょうか

加藤雅也アナウンサー
加藤雅也アナウンサー

つばめ交通企画室・山内康平室長:
まだ中国運輸局から通達はないが、業界団体等で勉強会を開いていこうかと話し合いはしている
Q:自分たちでできる準備をいましているという段階?
そうですね、心の準備と体操をしているという感じ

インバウンド客への対応で“パイを増やす”ことがカギ

システムを実際に導入するためには、タクシー会社が使用する自家用車の数やドライバーとの契約形態などを申請し、許可を受けることが必要で、事故防止についての教育・指導体制の確立や活用する自家用車の整備管理体制などの構築も求められる。

つばめ交通企画室・山内康平室長:
パイの取り合い、奪い合いになってはいけない。今からは共存共栄共創だと思っているので、いかにパイを作っていくかが大事。そういう意味では、外国人の旅行者が広島に来られた時に対応できるライドシェアを目指して準備をしている段階です

Q:”パイを増やす”まだまだ潜在的に眠っているお客さんがいる?
利便性、快適性を向上して潜在顧客を掘り起こすという部分においては、外国の方が広島に来られてタクシーに乗ろうと思ったときに、言語が通じなければ難しい部分があると思うが、外国人の方が便利に快適に使えるようにして、パイを増やしていければいいなと思っている

加藤雅也アナウンサー:
広島での導入の時期だが、国土交通省が広島市などの「広島交通圏」でタクシーの「不足車両数」を「算出」していて、その結果が4月中に公表され、5月以降、タクシー会社に「実施意向がある」地域で順次、始まることになっている

コメンテーター JICA中国・新川美佐絵さん:
海外の事例をよく調べるべき。やり始めたけれど、いろんな問題があってすでに廃止している国、お隣の韓国はそうだと聞く。公共の福祉で過疎地域などにはプラスだと思う。とにかく安心安全を最優先に検討してほしい

「日本版ライドシェア」はもともとは、公共の交通手段が乏しい地域の交通弱者の“足”確保のために始まった。都市や観光地のタクシー不足解消のための今回のシステムと地域の公共交通確保のためのシステムは分けて考える必要がある。今後は地域の公共交通のためのライドシェアもさらに拡充させる必要がある。

(テレビ新広島)

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