日本時間4月3日午前8時58分頃に発生した、台湾東部海域を震源とするマグニチュード7.7の地震。花蓮県で最大震度6強、北部の台北市で最大震度5弱を記録し、各地で山崩れや建物が倒壊するなどの被害が確認された。台湾の消防当局によると、3日夕方時点で、7人が死亡736人がケガをした。台湾メディアが伝えた映像から地震による甚大な被害状況が分かった。

工場の煙突が崩れ落ちる瞬間

台湾東部の花蓮県で撮影された地震発生時の映像では、激しい揺れに見舞われた次の瞬間、ビルが一瞬にして崩れ落ち、周囲は大きな土煙に包まれる様子が捉えられていた。別の映像からは高速道路の街灯も、右へ左へ激しく揺れているのが分かる。

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さらに、工場の煙突は、めきめきと不気味な音を立てながら折れ、崩れ落ちた。

建築中のビルから資材が落下した
建築中のビルから資材が落下した

台湾北部の台北市では、建設中のビルとみられる建物から、いくつもの資材が落下。現地メディアによると、落下したのは、クレーンで吊るされていた資材で、落下後に、隣の建物を直撃したという。

揺れによる被害は、建物内にも及び、新北市の建物内を撮影した映像では、棚から次々と落下する本や、足の踏み場もないほど様々な物が散乱した床が捉えられていた。

新北市では、建物の上から滝のように流れ落ちる水が撮影された。屋上にあるプールの水が、強い揺れによって溢れ出したとみられている。

台湾全土を襲った今回の巨大地震。新婚旅行で現地を訪れていた日本人夫婦は、地震発生時の状況を、こう振り返る。

新婚旅行で来ていた日本人:
昼遅く起きようと思ったんですけど、朝8時くらいに急にすごい揺れが発生してグワングワンってとても寝てられなくて。多分(揺れは)1分以上あったんじゃないですかね。揺れの感じも東京で3.11(東日本大震災)を感じたみたいな、あれよりもちょっと激しいくらいでした。

傾いた建物に閉じ込められた人残る

最大震度6強を観測した東部の花蓮県では、建物が倒壊するなどの被害が相次いだ。

1階部分がつぶれ、バイクや自転車が下敷きになっている白い建物。別の映像には、建物内に取り残された人に向かって「窓から!窓から出てきて!」と呼びかける声が記録されていた。建物内からはその後、取り残されていた幼い子供が助け出された。

倒壊したビルの窓から取り残された人を救助
倒壊したビルの窓から取り残された人を救助

花蓮県では、この他にも複数のビルや家屋が倒壊。

今にも倒壊しそうに大きく傾いた赤い建物の窓には、救助を求める人の姿が見えた。救助隊がはしごなどを使い救出に当たったが、今も少なくとも77人が建物などに閉じ込められているという。

大きく傾いた赤い建物の住人は、揺れに襲われた際の状況について、「ドアが開かなくなった。ドアが開かなくなって全部ふさがれていた。成す術がなかった。物が全部落ちてきて建物も崩れてしまった」と語った。

さらに、沿岸部で発生した津波を捉えた台湾テレビの映像では、津波のようなものが繰り返し港に押し寄せる様子が確認できた。テレビでは「花蓮港で海水が逆流してきました。10時14分に気象庁から津波警報が出されました」と伝えられていた。

また花蓮県の山間では、土砂崩れも発生し、至る所で土煙が上がった。

山が崩れる瞬間を捉えた映像では、大きな土煙をあげ、崩れ落ちる山肌の様子が捉えられていた。

土砂崩れに巻き込まれたとみられる車
土砂崩れに巻き込まれたとみられる車

山間部の道路には、大きな石などがゴロゴロと散乱し、車が壊れた状態で止まっていた。

地震は、朝の通勤ラッシュの時間帯を直撃し、台北市内では地下鉄が止まったほか、幹線道路を中心に激しい渋滞が発生。市民生活は大きな混乱に見舞われた。
(「イット!」 4月3日放送より)

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