宝塚歌劇団の宙組に所属していた劇団員の女性(当時25)が2023年9月に死亡しているのが見つかった件で、劇団に対してパワハラの認定や謝罪を求めていた遺族側が会見し、劇団側と14項目にわたるパワハラの存在を認める合意書を締結し、劇団側が謝罪した事を明らかにした。

またパワハラに関与した関係者は「少なくとも10人」で、そのうち6人から謝罪文が寄せられたという。

遺族側代理人によると、パワハラに関与したのは宙組の幹部上級生4人と、宙組の上級生3人、劇団のプロデューサー2人と演出担当者1人の合計10人。そのうち遺族側に謝罪文を渡したのは、幹部上級生2人、上級生1人、プロデューサー2人、演出担当者1人の合計6人だという。また、女性が望んでいないのにヘアアイロンで髪を巻こうとして額にやけどを負わせた幹部上級生については、劇団側の代理人は、きょうの合意文書締結の場面には間に合わなかったが、謝罪文を提出予定だと説明したという。

遺族代理人によると劇団側は、長時間の活動を余儀なくさせ、過重な負担を生じさせたことと認めた。さらに、14項目におけるパワハラに該当する行為によって、多大な心理的負荷を与えたことも認め、劇団経営陣の怠慢によって長年にわたり劇団員に様々な負担を強いるような運営を続けてきたことがこうした事態を引き起こしたとして、「全ての責任が劇団にあることを認め」、「安全配慮義務違反があったことを認め、謝罪する」との内容の合意を締結したという。

合意書には慰謝料など解決金として相当額を支払うことも含まれ、合意を取り交わす現場に同席した阪急阪神HDの角和夫会長ら幹部が遺族に謝罪した。

劇団側も同じ時刻に会見し、阪急阪神ホールディングスの嶋田社長は女性の死について「取り返しのつかないことをしてしまった、誠に申し訳ございませんでした」と謝罪した。

プライムオンライン編集部
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