海外からの帰国者の「はしか」への感染が日本でも相次いでいて、2024年に入り少なくとも20人が確認されている。非常に感染力が強いはしか。年代によってはワクチンを接種していない人もいて、医師は「まずは免疫の確認を」と呼び掛けている。

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麻疹ウイルスによって引き起こされる「はしか」。コロナ禍が終わり海外をはじめ人の行き来が活発となった2024年、日本でも各地で感染が相次いでいてこれまでに20人が確認されている。(※3月21日現在)

県内では2020年以降、感染例はないが、警戒が必要。

感染力が「極めて高い」からだ。

提供:東京都健康安全研究センター
提供:東京都健康安全研究センター
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宮沢医院の宮沢政彦院長は、「特に“空気感染”があるために、非常に感染力が強いとされています。例えば、新幹線の車両に1人いれば、車両全部の人にうつってしまう。大きな体育館に1人いれば、免疫のない人は100%うつるとされている。それぐらい感染力が強いウイルス」と警鐘を鳴らす。

宮沢医院・宮沢政彦院長
宮沢医院・宮沢政彦院長

はしかの症状は主に発熱やせき、発疹や目の充血など。

肺炎や脳炎などを引き起こし、重症化や死亡する例もある。

また、妊娠中の女性は特に注意が必要だという。

提供:みやけ内科・循環器科
提供:みやけ内科・循環器科

宮沢院長は、「海外から入ってくるウイルスなので、海外に行った人と接触したとか、海外から帰ってきた人は熱が出たら、はしかを疑わないといけない。妊娠中にかかると、早産・流産が起こりやすいとされている」と呼び掛けている。

資料
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有効な予防法は「ワクチン」だけ。2回の接種で99%以上の予防効果があるとされている。2000年以降は就学前に計2回の定期接種が行われている。

しかし、2000年より前に生まれた人は1回しか受けていない可能性がある。

さらに、1972年10月より前に生まれた人は1回も接種していない場合も。こうした人は追加接種の検討が必要だ。

ワクチン
ワクチン

接種歴は母子手帳で確認することができる。ただ、確認できない場合は自分で免疫があるか調べなければならない。

感染の広がりを受け定期接種以外の人が接種を希望するケースが増えていて、現在、ワクチンは不足傾向。

はしかワクチン接種
はしかワクチン接種

長野市の宮沢医師は、「まずは『抗体検査』で免疫を確認すること。また、持病がある人や妊婦が家族にいる人などが優先的にワクチン接種を受けてほしい」と話している。

なお、はしかが疑われる症状が出た場合は、医療機関に連絡した上で公共交通機関の利用を避け受診してほしいと呼び掛けている。

資料
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(長野放送)

長野放送
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