小林製薬の“紅麹”原料を使ったサプリメントを巡り、健康被害の報告が相次いでいる問題。

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説明や回収作業に追われる取引企業から、「本来なら会社にきて謝る、説明するなどするべきなのに対応がひどすぎる」と不満や怒りの声が上がっています。

「もう少し早く連絡が欲しかった」不誠実な対応に“怒り”

厚労省によると紅麹を摂取後、これまで腎疾患などで106人が入院。約3000件の相談が寄せられているとの報告を受けたといいます。さらに、因果関係が疑われる2人が死亡。

こうした報告を受け、厚労省は、本社がある大阪市に対し、食品衛生法に基づき、3つの製品の廃棄命令などの措置を取るよう通知しました。

これまでに小林製薬の紅麹原料を使った、食品メーカーなど国内30社が自主回収や販売中止を発表。その1社である「山本漢方製薬」では、サプリメントを自主回収しています。

山本漢方製薬顧問 吉田正敏氏:
100件以上お問い合わせがありまして。健康被害をやっぱり心配されて。(小林製薬からは)何の連絡もなかったので、報道を見ている間では、かなり前から分かっていた話ですので、もう少し早く連絡がほしかった部分ですね。

さらに、「めざまし8」が取材した別の会社からも…。

商品の自主回収をしている会社:
(小林製薬から)今回の説明はFAX1枚のみ。紅麹は1カ月くらい前から、注文をしても販売はできないと言われている。健康被害を知っていたのに言わなかったのでは?

“問題を隠していたのではないか”という、疑念の声が相次いで聞かれました。

広がり続ける影響…風評被害も

今回、相次いで健康被害が報告されているサプリ。今年の1月から摂取していたという40代の男性は、医師から驚きの検査結果を告げられたといいます。

サプリを使用していたという40代男性:
コレステロール値を下げられないかなと思って、(血液検査で)コレステロールは正常値に収まって良かったんですけど、腎機能の低下は下がったままで、医師からは80代ぐらいの腎臓だといわれました。不安しかないですね。これ(サプリ)が原因だったら、これをやめれば治るのかなという期待もあるし…。

なんと、腎機能が実年齢の倍近くにあたる「80代」という診断だったのです。

この事態に、26日、自見消費者担当大臣が「機能性表示食品の摂取による健康被害の発生が他にもないか、現在約7000件ある届け出製品についても、緊急に点検するよう指示した」と話すなど、影響は広がり続けています。

食の安全などに詳しい 東京大学名誉教授 唐木英明氏:
(入院者数は)何倍かになるだろうと思います。厚労省が入って、その因果関係が本当にあるかどうかをこれからきちんと調べていくということになると思います。

――発酵食品やパンにも使われていて、影響は大きそうですね
金子 恵美氏:

関連商品が非常に多いので、本当に今後の被害の拡大が心配ですけども。私自身もサプリは飲みますけども、今までって安心して飲んでいたんですけども、我々の知らないうちに、もしかしたら今飲んでいるものも何かあるのではないかと、サプリを飲むときに成分を見るようになってしまったので、そういう意味でいうと、消費者心理に与える影響は大きいなと思いますね。

現在自主回収されている 小林製薬の紅麹原料を使用した製品
現在自主回収されている 小林製薬の紅麹原料を使用した製品

――小林製薬の紅麹が何に使われているか明確にしてほしいですね
フジテレビ解説委員 風間晋氏:

今、30社の製品が自主回収されていますが、紅麹原料は52社に販売されていると伝わっていますから、ということはほぼ半分の会社に関しては、どういうものを作って、どういう商品の中に入っているのかというのも、情報がないわけじゃないですか。だから気をつけようもないから、これは怖いなと思いますね。
関係が無い企業が、非常に大きな影響を被っているということがあちこちで起きているわけじゃないですか?実際問題として、それも防がなくてはいけないですよね。

パトリック・ハーラン氏:
製薬とサプリの違いは、サプリはこれといった定義もないし、法律上の基準もないですよね。
製薬なら法律もあるし基準もあるし、政府に対する信頼もあるし、製薬会社に対する信頼もあるし、処方箋を書いたお医者さんへの信頼に基づいて摂取しているのですが、サプリは結局メーカーだけですね。ですからメーカーの信頼に基づいて消費行動を取っているから、その信頼が揺らがないように、とにかく対応を徹底して、誠心誠意対応していただかないと困りますよね。
(めざまし8 3月27日放送)