健康被害の恐れがある小林製薬の紅麹原料を使ったサプリメント。愛用者の1人が腎疾患により死亡していたことが3月26日、分かった。
新たな商品の自主回収も相次いで発表され、問題のサプリメントを摂取していたという40代の男性は、FNNの取材に「とにかくショックでした」と自身の腎機能が急激に低下していたことを明かした。
“紅麹サプリ”を継続購入していた高齢者が死亡
小林製薬は26日、健康被害の恐れがあるとされる“紅麹サプリ”の愛用者が死亡したことを公表した。

死亡が明らかになったのは、「紅麹コレステヘルプ」を2021年から2024年にかけて継続して購入していた1人の高齢者。

遺族から小林製薬にメールが寄せられたのは23日。しかし、22日の会見後に3000件を超えるメールが寄せられていたため、25日になってようやく遺族からのメールを確認したという。小林製薬は、この高齢者の死亡とサプリの因果関係については鋭意確認中としている。

また、入院者数は25日の時点で26人だったが、26日、新たに約50人から入院の情報が寄せられていることが明らかになった。
「もう少し早く連絡がほしかった」商品回収は国外でも
商品の自主回収も相次いで発表されている。

化粧品メーカーのノエビアは、小林製薬の紅麹原料を使ったサプリメント「ノエビアDHA&EPA」を自主回収すると発表。また、愛知県の山本漢方製薬も「内脂ブロッカー」の自主回収を発表した。

山本漢方製薬 顧問 吉田正敏さん:
(小林製薬からは)なんの連絡もなかったんで。報道を見ている間では、かなり前からわかっていた話ですので。もう少し早く連絡がほしかった部分ですね。
影響が広がりを見せる中、厚労省は食品衛生法上の対応が適切であるかどうか確認するため、26日にも小林製薬の担当者に対するヒアリングを実施すると明らかにした。

そして、台湾当局は企業に対し、問題の紅麹原料を使った商品の回収を通知。また、中国でも小林製薬のサプリが販売されていたため、自主回収が行われている。

「コレステロール値が正常値になってよかったけど…」
FNNが話を聞いたのは、問題のサプリを2024年1月から摂取していたという45歳の男性。腎機能の著しい低下を医師から指摘されたという。

2024年1月からサプリを使用していたという男性:
コレステロール値を下げられないかなと思って飲んでいたんです。(血液検査で)コレステロール値が正常値になってよかったけど、腎機能の低下はそのままで、医師からは「80代くらいの腎臓だ」と言われました。びっくりしましたよね。不安しかないですね。これ(サプリ)が原因だったら、やめれば治るのかなという期待もあるし…。

小林製薬は問題の紅麹原料について、想定外の成分が含まれている可能性がある製品の製造番号が、18種類あると明らかにしている。なぜ、この18種類に健康被害が出た可能性があるのか。

東京大学 名誉教授 唐木英明氏:
何らかのその抜け道があって、雑菌あるいは別の麹が入り込んでしまった可能性が一つ。もう一つは、誰かが意図的にそういったものを持ち込んだという可能性。
小林製薬は、対象商品の使用中止などを重ねて呼び掛けている。
(「イット!」3月26日放送)