フルネームの名札が、カスタマーハラスメント対策で変わりつつある。
東京・品川区は1月4日から、職員が業務中に付ける名札の表記をフルネームから名字のみとし、顔写真の掲載も廃止した。
全職員が対象で3月末までが試行期間
品川区では、職員が所属とフルネーム、顔写真が載った名札(職員証)を付けて業務にあたってきたが、窓口業務にあたる職員から、トラブルになったときに「名前を覚えた」「インターネット上に名前をさらす」などと言われたとの報告が複数件、寄せられたという。

こうした報告を受け、職員のプライバシー保護などを目的に、名札の表記をフルネームから名字のみとし、顔写真の掲載も廃止した。この名札は全職員が対象で、3月末までが試行期間としている。

名字のみの名札について、職員、そして区役所を訪れた人は、それぞれどのような感想を話しているのか? また、「名前を覚えた」「インターネット上に名前をさらす」などと言われる事例は減ったのか?
品川区の担当者に聞いた。
「安心して窓口対応ができるようになった」
――「名字のみの名札」に対する職員の感想は?
職員からは「名字のみの名札になったことにより、安心して窓口対応ができるようになった」との意見がありました。
――区役所を訪れた人の感想は?
「なぜ名字だけなのか?」と聞かれた事例はありましたが、試行期間中の名札を理由としたトラブルは今のところありません。
――「名字のみの名札」にしてから「インターネット上に名前をさらす」などと言われる事例は減った?
統計を取っているわけではありませんので不明ですが、実感としてはあります。
――4月1日以降も、この名札を使う予定?
特にトラブルなどもないことから、引き続き、今回、作成した名札を使用する予定です。

自治体などで広がりつつある、名札の表記を名字のみとする動き。カスハラを減らすため、今後さらに広がっていくことを期待したい。