自転車の交通ルール違反の取り締まり強化で、悪質な違反には新たに「青切符」を交付して、5,000円から1万2,000円の反則金が課されることになる。法改正の詳しい内容を取材した。
新たに「青切符」 反則金5,000円から1万2,000円
携帯電話で話しながら自転車に乗ったり、信号無視など交通ルールを無視した自転車の運転が後を絶たない。全国的に交通事故全体の件数が減少傾向にある中で、自転車の事故は増えている。
この記事の画像(13枚)こうした事情から政府は、自転車の悪質な違反に新たに「青切符」を交付して、反則金を課す道路交通法の改正案を今の国会で成立させ、2年以内の施行をめざす。
改正によって信号無視や携帯電話を使用しながらの運転など、112種類が違反の対象となり、反則金は、5,000円から1万2,000円程度となる見込み。
では、具体的に何が変わるのか?現状の自転車の取締りは以下の2種類。①反則金のない「自転車指導警告カード」という黄色のカードは、違反者に注意を促すもの。②「赤切符」は酒酔い運転、あおり運転など悪質な違反が対象で、罰金や起訴される可能性がある。
ここに新たに導入されるのが反則金を伴う「青切符」。「青切符」は車やバイクには、すでに適用されている。
自転車では、どういった違反が「青切符」の対象になり、反則金がいくらかは以下。対象年齢は16歳以上で違反にあたる行為は112種類。
最も重いものでは、携帯のながら運転が1万2,000円。軽いものは一時不停止、イヤホン使用運転、傘さし運転が5,000円。信号無視や右側通行が6,000円となっている。
交通事故件数減少の中、自転車の事故、違反は増加
広島県内で2023年に発生した自転車が関係する人身事故は、2022年より95件増えた996件で、このうち自転車側に何らかの違反が認められた事故は、626件と6割を超えていて過去10年間で最も高くなっている。
広島県警・交通企画課 泉新作 次席:
自転車側の法令違反では、安全不確認が最も多く、違反全体の半数(47.4%)を占めていて、出合い頭の事故など、交差点の事故の原因になっている。ルール違反が重大な交通事故に繋がる。基本的な交通ルールを守るとともに、ヘルメットの着用をお願いします
「青切符」導入について、街の人はどう受け止めているのか。
街の人:
青切符があったほうが今よりはみんなルールを守って多少は事故が減ると思う。ルールがあったほうが守りはするけど、反則金がいくらかによる
Q:違反にもよるが5,000円から1万2,000円
街の人:
ちょっと高いかな
街の人:
ペナルティがつくから、ルールを守り、気を付けて運転しないとダメだという話をしていた
街の人:
16歳になった。高1ですね。人に迷惑をかけるのはいやだし、自分が傷つくのもいやだし、どちらにとっても不利益しかないので、自転車の運転には気を付けたいと思う
今回の法改正は自転車の事故が増える中、事故の原因の多くを占める一時不停止や信号無視を厳しく取り締まり、事故を減らす目的がある。運転ルールを再確認し、安全でマナーをわきまえた乗り方を心がける必要がある。
(テレビ新広島)